羅立文プロ14-1解説 その8

B!

こんにちは、スタッフ野田です。

羅立文(ローリーウェン)プロによる14-1解説動画その8です。
例によって、1球ずつ次に何をしたいかを説明しながら撞いてもらっています。

それでは早速動画をご覧いただきましょう。

ブレイクの配置です。
ブレイクボールは短クッションの1ポイントと長クッションの2ポイントを結ぶ地点にあり、手球は短クッション1ポイント、長クッション4ポイント(サイド前)にあります。

これはちょうど厚みが1/2となる配置です。ブレイクしやすく、的球も外れにくい理想的な配置と言えるでしょう。
羅プロは手球がラック内の12番に厚く当たり、引きをかければテーブル中央付近に戻ってくると予測しました。

 

手球は12番の少し下(フット側)に当たったため戻ってきませんでした。ブレイクボールがラックのごく近くにない限り、ブレイク後の手球の動きを正確に読み切ることは羅プロでも難しいのです。

手球はラックに近接していますが、幸いなことに15番がサイドに狙えます。
その後、10、12、8、11番のどれかでクラスターを割ることができそうです。

15番を入れた後、13番を入れて11番に薄めに出しました。
ワンクッションでブレイクする想定です。
その際に8番が保険となります。

 

11番でブレイクした直後の配置です。

手球は事前に予告した通り14番に当たりました。何でもないようなショットですが、ラックを散らすためにある程度強く撞く必要があり、そのうえで正確に狙ったところへ手球をもっていくというのは大変難しい技術です。そしてこのようなコントロールがどれだけ正確にできるかが14-1では大きくモノを言います。

次に狙うのは保険にしておいた8番ですが、その後の計画はどうでしょうか。
スタッフ野田は14番を8番と同じ左コーナーに入れて10番を右コーナーに左フリにしてクラスターを散らすことを考えました。これには理由があるのですが、それについてはのちほど。

羅プロは手球を大きく動かして7番に出し、次に6番でクラスターを
割る方法を取りました。
10番より6番で割った方がポケット出来る的球がなくなる危険が少ないと思ったそうです。

ところが6番へのフリが少なすぎてブレイクができなくなりました。
計画を変更しなければなりません。
さてどうしたらよいでしょう。

羅プロは6番から少し引いて9番をサイドにまっすぐ出し、12番でブレイクする
という新たな計画を立てました。
とにかく、12・1・3番さえ割ればあとは何とかなると考えていたそうです。

しかしまたもトラブルです。
12番を入れて1・2番を動かしたのですが、2番が14番と近接してしまいました。
あまり球数が残っていない終盤に入ってトラブルが起こると解消することが困難になってきます。

クラスターをブレイクする際には、ブレイクした的球がすでに散っている的球の方に向かわないようにすべきであり、先ほどスタッフ野田が10番でブレイクすることを考えた理由はここにあります。

ただ、手球がクラスターの中に埋もれてしまう危険なども考慮しなければなりませんので、どの方法が最善かは人によって違ってくると思います。

ここではもう球数が少ない終盤に入っており、とにかくブレイクしなければどうしようもないので如何に危険であろうともやるしかないという状況でした。

5番をサイドに入れて1番に出したところです。
ここからどのように取り切るか、皆さんは想像できますか?

羅プロは1番を入れて手球を3番に当て、10番に右フリをつけて2・14番を崩す配置を作り出しました。
1番が右フリなら1番で崩し、だめなら10番で崩すことを5番を入れる前に決めていたそうです。

10番を入れて2番を動かし、14番をブレイクボールとして確保しました。
フリの少ない3番から押しの2クッションで2番にポジションします。
柔らかいストロークで手球が弾けないように効果的な押しと逆ヒネリを
かけているのがわかります。

もうこの後の説明は必要ないでしょう。
理想的なブレイクの配置で始めたラックでしたが、次々にトラブルに見舞われました。
それでもなんとかブレイクボールに辿り着くことができるのは多くの知識と技量と経験のなせるところです。
もし7番を入れた後に6番に右フリがついていたら、ずっと楽に取り切れていたかもしれません。

 

14-1は近距離のやさしいショットが多いのですが、手球の微妙なコントロールが求められることがよく分かるラックだったと思います。

キューショップジャパンには羅プロ関連の商品もいろいろあります。

 

最新の記事はこちらから