こんにちは、スタッフ野田です。
ゲームをする上で役に立つ知識や技術などを説明するテクニック講座のコーナーです。
今回ご紹介するのは、「2等分システム」です。
これには「引き球用」と「押し球用」があるのですが、今回はまず分かりやすい引き球用をご紹介します。

説明を始める前に、まず配置図を2つご覧ください。
1つ目はこれです。

 

ゲームはナインボールで、2~8番の的球は省略していますが、取りきるのは難しい配置だと思ってください。
コーナーの穴前に9番がありますので、ランアウトが困難ならば1番からの引き球で9番を狙いたいですね。

2つ目の配置はこれです。

1番はコーナーに取れますが、3・4番が近接していてトラブルになっています。

2番は穴前でポジションの許容範囲が広いですからいま1番を入れながら手球をこの3・4番にぶつけてトラブルを解消したいところです。

上記のような状況で、「いったいどうすれば手球を意図したコースにもっていけるか?」というのが今回のお話です。
熟練者なら長年の勘で分かるかもしれませんが、なかなか判断が付きにくいこともあるかと思います。

ではまず1つ目の配置で、具体的な方法をご紹介しましょう。
なお、この「2等分システム」は「こうすればうまくいく」と感じて経験的に作り出したもので、幾何学的あるいは物理学的な原理から導き出されたものではないことをお断りしておきます。

1つ目の配置の拡大図です。

1番はフットスポットにあり、手球はロングライン上にあります。
ここから手球を1番に当てて引き球でコーナーの9番を狙います。
1番を第1的球、9番を第2的球として、手球・第1的球・第2的球から構成される角度を見ます。
この図では45度となりますので、それを2等分します。
約23度となりますので、1番に23度の角度で接する点をイメージします。

図の赤い点がそれで、強めの引き球でここを狙えば手球は9番へ向かいます。

 

要するに第1的球から第2的球への角度の2分の1のところを狙うという、単純明快なものです。
気をつけていただきたいのは、狙い点に接するイメージボールの中心ではなくて、狙い点を手球の中心で直接狙うということです。

この図の赤線のように狙います。青線のようにイメージボールの中心を狙ってはいけません。

当然、手球と1番の実際の接触点は、赤い点より手前になります。

実際の動画をご覧ください。


次に第2の配置図を検討しましょう。
第1の配置図は手球・第1的球・第2的球が構成する角度が小さい場合の例ですが、第2の配置図はこれがほぼ90度となっています。
そして第1の配置と決定的に違うのは、1番を入れなければならない、つまり厚みは決まってしまっていることです。
ではこれを2等分システムで分析してみましょう。

1番から3・4番へ向かうコースは手球から見てほぼ90度、つまり右真横になります。
90度を2等分しますから、狙いは45度となります。この点に向かって手球を撞くと、第一的球への厚みは2分の一強となり、これは1番をコーナーに狙う角度と合致しています。したがって1番を入れながら強めの引きを手球にかければ3・4番にぶつけることが可能です。

もし3・4番がこの図より左にあれば少し引きを弱くし、右にあるなら限界まで引いてチャレンジするか、強めの右ヒネリをかけてワンクッションで当てるなど他の方法を選択することになります。
この例のように、ほぼ90度方向、つまり真横に手球を動かす場合、「厚み半分で強く引く」と覚えておいた方が簡単です。
センタースポットに的球、フットスポットに手球を置いて的球をコーナーに入れて手球をサイドポケットにスクラッチさせる練習をしたことがある方も多いと思いますが、それと同じです。
余談ですがこれを応用したトリックショットをご紹介しましょう。

 

1番はフットスポット、9番はサイドポケット穴前で、手球は下のサイドポケットと右上コーナーポケットを結ぶ線上にあります。
この配置で厚み1/2で1番から強く引くと、手球が9番を落としたあとに、1番がバンクして9番の後を追ってポケットします。
ちょっと難しいですが、アクションが面白いので試してみてください。

 

 

このシステムを使用する上で難しいのは、どのくらいの撞点と力加減で撞けば、手球がシステム通りに動いてくれるかを把握することです。
残念ながら文章でこのような加減を表現することは難しいので、敢えて「強い引き」と書いています。
当然ながらボール・テーブルのコンディションやストロークの具合によって手球のコースが左右されますので、自分なりのアレンジが必要となる場合が多いのです。
これを参考にして、どのように撞けば狙い通りに手球が動くかは、実際に撞いて感触を掴んでください。
強い引き球をすることを前提としているシステムですが、最も安定して撞ける撞点と力加減の引き球で自分なりのシステムにアレンジしてみてもよいと思います。
何となくといった感覚でいいかげんな所を狙うよりは遥かに成功率が高くなります。

次回は「2等分システム・押し球編」をお送りする予定です。

 

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