こんにちは、スタッフ野田です。
今回のお題は「セカンドベスト」です。
ランアウトを続ける際、いつも手球を理想的なポジションにもってくることができればいいのですが、そこはそれ、人間のやることですから失敗することもあります。対戦相手からのもらい球が難しいという場合もありますね。
的球を入れるだけならできるけれど、次の的球へのポジションが難しい・・・
そんな時に、ひたすら理想的ポジションを追い求めるのではなく、「ここでも何とかなる」という妥協案も検討する価値があるというのが今回のお話です。
これは案外重要な考えで、手球のポジション取りのために無理なショットをしたり、手球のコントロールにばかり神経を使って結局ショットを失敗したという経験はほとんどのビリヤードプレーヤーにあると思います。勿論スタッフ野田もその一人です。
今回から何回かにわたって具体的な例を挙げながらこれを説明しようと思います。
では今回の配置図をご覧ください。
ゲームはナインボールで、8番から最後の9番にポジションしたいという局面です。
この場合、8番に対して30度くらいのフリが付いていれば理想的なのですが、この図のようにポケットに対してほぼ真っ直ぐ(いわゆるフリなし状態)になってしまうという状況、経験したことがある方も多いと思います。
さて、あなたならどうしますか?
9番に対して良いポジションを得ようとするなら、少し右ひねりを入れた強力なドローショットが必要になります。
「引き球は俺様の得意技だぜ!」という方はどうぞチャレンジしてください。
実際、本当に引き球に自信があるなら、その人にとってはそれが最善の方法かもしれません。
しかし、このような遠い距離を引くようなショットはプロでも冒険です。ラシャのコンディションが重かったりしたら尚更です。
しかもうまく引きがかかっても右上のコーナーにスクラッチする危険があります。
更に、このショットでは右ヒネリを入れておかないと、たとえ引くことが出来ても9番が遠くて薄い配置になってしまうのですが、ヒネリを入れる分だけ引きが弱くなってしまうことが多いのです。
更に更に、レール沿いの的球を強打すると的球がポケット内で跳ね返りやすくなり、それを恐れて力加減が弱くなると、うまく8番がポケットできても中途半端な引き球になって結局難しい配置が残るという結果になりかねません。
また、撞点左上の押し球で左側の短クッションからワンクッションで出す方法もあります。
しかし、これもかなり強く撞く必要があり、左ヒネリも必要で、左上ポケットに8番に続いて手球が後追い自殺してしまう危険もあります。
その他の方法としてヒネリでフリを作り出すとか前クッションで8番を入れるという技もありますが、いずれも遠く離れている的球で行なうことは大変危険です。
ではどうしたらいいのでしょうか?
次善の策として、8番をストップショットで取り、9番をサイドへバンクショットで狙うという方法があります。
ストップショットなら8番を外す可能性は少なく、手球がストップした位置から9番は反射角が非常に小さいバンクショットなので、成功率は高いです。
本来、バンクショットはなるべく避けるべきなのですが、それに代わるショットの方が危険であれば理にかなった選択になる場合もあるのです。
どの方法がより高い確率で取りきれるか、実際に試してみてください。
難しい配置に直面した際に、シュート力ではなく知識で切り抜けられることは案外多いものです。
スタッフ野田が初心者の頃は、上手い人のプレーを見て学びとるという原始的(?)な方法が主流でしたが、現在はいろいろな情報入手手段があります。普段からこういった情報取集を心がけることが大切です。
テクニックに関する情報収集の原点はやはり書籍です。
ITが発達した現代でもその必要性は少なくなることはあっても、無くなることはありません。