こんにちは、スタッフ野田です。
「セカンドベスト その3」です。
ショットを失敗した後に、こんな無理をしなくても他の方法があったことに気づいたという経験をお持ちの方も多いと思います。
このブログを読んでいただければ、そんなことが少しでも減るかもしれません。
さて、今回の配置です。ゲームは9ボールです。
残りは7・8・9番の3個で、相手のファールによりフリーボールをもらったところです。
このチャンスを活かすために、あなたは手球をどこに置いて、8番に対してどのようにポジションしますか?
手球を置く場所はだいたいここらあたりで、多くの方に異存はないでしょう。
7番を入れて上の長クッションを使って、左下に手球を動かします。
8番から9番への理想的なポジションは点線のようなコースで、これならワンクッションで楽に9番を狙える位置に手球を動かせるでしょう。
しかし、赤線のようなコースでこのポジションを狙うと、そこには恐ろしい罠が待ち構えています。
最悪の罠は、左下コーナーへのスクラッチです。
ワンクッションで上図の理想ポジションを狙えば、その先にはコーナーポケットが口をあけて待っており、スクラッチの可能性があります。
そしてスクラッチしなかったとしても、9番へのポジションが苦しくなるポイントがこの周りにはいくつもあります。
この図のA付近からでは8番が薄くてポケットが困難になります。
また、手球が上のサイドポケットに引っかかる危険があります。
これらをクリアしたとしても、9番にポジションするためには微妙な力加減のコントロールが必要になります。
逆にCでは、フリが少なすぎて手球を大きく動かすことが難しくなります。
また、Bのように下の長クッションにくっついてしまうとヒネリが使えなくなって、たとえ右フリがあっても9番へのポジションがしにくくなってしまいます。
実は理想的なポジションの範囲は下図のように大変狭く、ここにポジションすること自体が難しいのです。
手球のコースはこの理想のポジション・ゾーンの狭い部分を横切るようになるため、力加減の許容範囲がシビアになることがお分かりいただけると思います。これについて詳しくは2019年6月12日のブログ「ラインとゾーン」をお読みください。
そこで理想的ではないけれど、このような罠に落ちることのないようにするために、手球のコースを少し手前に持ってくるという方法があります。
この方法を使った場合、8番から9番へは下図のように出すことになるでしょう。
理想ポジションからのように簡単に9番に出せるというわけにはいきませんが難しいというほどではありません。
たとえ手球が長クッションにフローズンしても、ヒネリなしの押しだけで点線のようなコースで8番を入れて9番に出すことが可能です。
理想的なポジションを続けてランアウトできればいいのですが残念ながら現実にはそうでない場合がほとんどで、いかに困難な配置になることを避けていくかがランアウトのカギになることが多いのです。
次の的球へのポジションが難しいと思ったら、「最善のポジション」ではなく「最悪のポジション」を考え、少なくともそうはならないようにするという気持ちの切り替えも必要です。
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