こんにちは、スタッフ野田です。
不可能を可能にするショットのコーナーです。
今回は、スタッフ野田が何度か実戦で成功させたことがある、難しくはありますが、場合によっては結構実用的なショットです。

では今回の配置の説明です。ゲームはナインボールです。
相手のセーフティ・プレーにより下記のような配置があなたに回ってきました。1番はサイド穴前ですが、手球は2・3番にブロックされて直接狙う事ができません。手球と2・3番の間にはほとんど隙間がなく、空クッションで1番に当てることは困難です。さあ、どうしますか?

この配置、実はスタッフ野田が某ビリヤード場のハウストーナメントで実際に直面したものです。(このショットに無関係な球の配置はでたらめですが)
空クッションはコースがなく、ジャンプキューの使用も不可能でした。
そこで私が取った方法はクッション・ジャンプでした。

実際にこのショットを再現した動画です。 ↓

やり方は、キューを少し立てて押し球の撞点で強めに撞きます。すると手球はクッションから跳ね上がって2・3番を飛び越えて1番に向かいます。前述のトーナメントで私が直面した時は的球を沈めることができました。(残り球を取りきれたかどうかは・・・内緒です)
平面図では分かりにくいと思うので、横から見た図を描いてみました。

クッションの先端は、手球の中心より少し高い位置に設定してあるので、手球を少しジャンプさせて意図的にクッションから上方向に反射するようにします。
さらに押しの回転が手球を上に跳ね上げる手助けをしてくれます。

昔、タバコ(Larkだったかな?)のTVコマーシャルで、ジェームズ・コバーンがこのショットを披露していました。
例に挙げたサイドポケットの配置でこのショットをするにはちょっと体勢が苦しいので、短クッションに沿ったコーナーポケットに配置すれば楽にできます。
こちらも動画があります。

このショットを成功させるカギは、「思い切りの良さ」です。撞いた瞬間に手球が自分自身の方に向かってジャンプしてくるので、ちょっと恐怖を感じるショットです。
体が先に逃げてキューミスしたり、ビビッて突き出しが中途半端になると失敗しますので、迷わずバシッといきましょう。障害物を飛び越えるだけなら、それほど難しいことはありません。ただ、思いのほか大きくジャンプすることがありますので、力加減には要注意です。
クッションへの入射角が小さいこの例のような配置なら成功率はかなり高いですが、入射角が大きくなるにつれて方向の精度は悪くなります。手球に押しがかかっているので着地した後にカーブしてしまうのもその一因です。実用限度は入射角30度以内といったところでしょうか。
慣れれば手球にヒネリを加えて反射角度を調整することもできますが、通常の空クッションより精度は劣ります。
前述の通りちょっと勇気のいるショットで、慣れておかないと実戦では使えません。
使う機会はそうそうないですが、それでも私はこのショットのおかげで助かった事が何度かあります。覚えておいて損はないショットです。

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