JOSS CUES
ジョス・キューです。
お客様から投稿されたものです。
25年ほど前に、アメリカから直接取り寄せられたそうです。
ジョスはダン・ジェーンスとビル・ストラウドの二人で立ち上げたキューメーカーですが、その後ビルはジョスウエストのブランドで独立し、ジョスはダン・ジェーンスによって運営されて現在に至っています。
スタッフ野田は、ジョスと聞くと映画「ハスラー2」を思い出します。
映画の中でバラブシュカとして登場したキューが実はジョスのNo.18というモデルで、スタッフ野田はジョイントカラーにレーザー彫刻が入ったレプリカモデルを購入して使っていたことがあるからです。
当時、アメリカのトーナメントを席巻していたマイク・シーゲルやニック・バーナーといったトッププレーヤーたちが使用していたこともあり、ジョスキューにあこがれを持っていた人も多かったと思います。
フォアアームです。
バーズアイ・メイプルとボコテを使った、いわゆる「スニーキーピート」と呼ばれる、フルスプライスで作られたキュ-です。
大多数のキューはフォアアーム、グリップ(ハンドル)、バットスリーブの3分割構造で、これら3つの部品を個別に作った後にボルト・接着剤などで接合するのですが、これはメイプルとボコテの材料を勘合させて接着し、その後に全体を成形しています。
ボコテの杢目がハギからキュー尻まで連続していることから、グリップやバットスリーブなどが別部品として構成されていないことがお分かりいただけると思います。
キュー尻です。
スニーキーピートのキューでも、バットキャップは別部品になっていることが多いのですが、このキューはバットキャップ部分もボコテの一体型となっています。
キュー尻は最もぶつけやすい部分なので、破損しにくい材質でバットキャップを作る、あるいは破損した場合の被害を最小限にするためにバットキャップを別部品にすることが多いのですが、デザインや一体感を重視して敢えてバットキャップをなくすこともあるのです。
このあたりはキューメーカーのポリシーやこだわりによる部分ですね。
1990年代から使われているジョスのロゴマークが描かれています。
ハスラー2が公開された1980年代は、シャフトとジョイントのカラーに金色でJOSSの文字が描かれた「ゴールドレター」と呼ばれるロゴが使われていました。
ジョイントです。
伝統的な14山のパイロテッドジョイントです。
フォアアームのバーズアイ(鳥眼杢)が見事ですね。
オーナーの方は、どんなに頼まれてもこのキューを他人に譲ることはしなかったそうです。
スニーキーピートは意図的に複雑な装飾を排してシンプルなデザインにしていますが、製作は入念に行なわれています。これはハスラーがカモを騙すために一見安物のように見えるけれど、高品質な信頼できるキューを欲したためと言われています。
羊の皮をかぶった狼といったところでしょうか。
実はダンとビルはジョスキューを立ち上げる前は旅をしながら賭け球で稼ぐ仲間同士だったので、スニーキーピートに対するこだわりは人一倍あるのかもしれませんね。
スニーキーピートはいろいろなメーカーが製作しています。
装飾がない分、メーカーの基本的な製作技術が如実に表れるキューとも言えます。
プレデター キュー SP4NWR