タッドキューです。
名匠タッド・コハラ(故人)の作品です。マザーオブパールのインレイを駆使した、クラシックデザインのモデルです。
シリアルナンバーが不明なのですが、かなり古いモデルで、1980年代あるいはそれ以前のものと思われます。
このキューが製作された時代には当然ながらCNC(コンピューター制御された旋盤などの工作機械)などなく、ハギもインレイもすべて手作業で入れられています。手作業で複雑な形のインレイを数多く入れることには限界があり、それゆえに限られた形状・数のインレイで如何にして魅力的なデザインのキューを作るかがキューメーカーの腕の見せ所でした。
タッドはその意味で大変優れたキューであり、多くの人々を魅了してきた最大の要因もそこにあると思います。
そのポリシーは息子のフレッドに受け継がれており、現在でもインレイの複雑さや数の多さで勝負するようなことはしていません。
フォアアームです。
メイプルに黒檀の4本ハギデザインです。
ハギには赤いベニヤが付けられており、これがきれいで目を引きます。
ハギの中にはマザーオブパールのドットとノッチドダイヤのインレイが入っています。2つのドットインレイの大きさを変えてあるのが分かります。芸が細かいですね。
バットスリーブです。
黒檀にマザーオブパールのインレイで構成されたデザインです。
ノッチドダイヤを2個縦に並べた独特のデザインです。
ドットインレイを4個密集させているのも珍しいですね。
異様に長いバットキャップもタッドらしさを醸し出しています。
ジョイントです。
いつもの5/16-18山のパイロテッドジョイントです。
ジョイントピンが短い「ショートピン」と呼ばれるものが使用されています。
ニッケルシルバーのリングワークがジョイントカラーの下に付いています。
これも古い時代のタッドによく使用されているもので、もっと古くなるとリングの材質がアルミニウムになってきます。
独特の形の純正ジョイントプロテクターが付属しています。このプロテクターには白の他に黒の物もあります。
スタッフ野田がタッドの工房を訪れた際に入手したジョイントプロテクターです。
これが製作されたのは90年代になってからなので、今回ご紹介したキューに最初から付いていたわけではなく、オーナーの方が別途入手されたものなのでしょう。
キューを購入する際は、ジョイントプロテクターが付属しているかどうかを確認しましょう。絶対になければならない物ではありませんが、ジョイントはほんの少しの傷などで異音や振動が出たりする大変デリケートな部分ですので、保護しておくに越したことはありません。