プルーイット・カスタムキューです。
カリフォルニア州のキューメーカー、エド・プルーイットの作品です。
プルーイットについてはいろいろ謎が多く、キューメーカー自身についての情報があまりありません。
製作本数が非常に少ないためにあまりメーカー名は知られていませんが、その製作技術は高く、高級カスタムキューが好きな人なら品質の確かなキューを作るメーカーであるという認識を持っていると思います。
フォアアームです。
このキューはハギもインレイもない、ストレートとかプレーンと呼ばれるデザインです。そのために「杢目で勝負!」といわんばかりのきれいな杢目が入ったメイプル材が使用されています。
しかもこのメープル材は、バーズアイ(鳥の目のような模様から鳥眼杢【ちょうがんもく】と呼ばれます)とカーリー(虎の縞のように見えることから虎斑模様【とらふもよう】と呼ばれます)が半分ずつ表面に現れているのが面白いです。
このような模様は削ってみなければどのようになるか分からないものなので、何本もの材料を削り出して、うまく杢目が出たものを選び出したものでしょう。おそらく相当な数の材料がうまく杢目が出ないという理由で廃棄されたのではないかと思われます。
このようなことは名のあるキューメーカーのほとんどが行なっており、ジナキューの製作者アーニー・ギュテラスは仕入れた木材のうち使い物になるのは良くても半分以下、モノによっては1割以下になると言っています。
バットスリーブです。
フォアアームと同様、バーズアイとカーリーの両方が表れているメイプルが使用されています。
グリップはメイプルに似た色の革巻きになっています。遠目に見るとまるでフォアアームからバットスリーブまでが一体化したメイプル材のようです。おそらく意図的にこのような色にしたのでしょう。
プルーイットの特徴の1つである、マザーオブパールのドットインレイで構成されたリングワークが入っています。デザインとしては複雑なものではありませんが、インレイを入れる位置が0.1mmずれればドットの間隔が不均等になってしまうという、高い精度が求められるものです。
バットキャップには作者のイニシャルE・Pをデザインしたロゴマークが入れられています。
ジョイント部分です。
リングデザインを合わせたマッチング・ジョイントキャップが付いています。
写真にはシャフトが1本しか写っていませんが、このキューにはシャフトが2本付いており、シャフト用のジョイントキャップには区別できるように別々の番号が刻印されています。
こういったところもしっかり綺麗に作ってあり、ハギもインレイもないキューだからといって手を抜くようなことはしていません。
キューショップでは、銘木の杢目を活かしたストレートキューもたくさん取り揃えております。装飾は無くても自然の美しさがあり、品質は確かでハイテクシャフトが付属しながらもお手頃な価格の物が多いので、本気で上手くなりたいと思われている方にオススメです。