マクダニエルです。ビル・マクダニエルがテネシー州で製作していたキューです。
スタッフ野田の好きなキューの1つで、何本も注文したことがあるのですが、現在は絶版となっています。まさか入手できなくなるとは思っていなかったので、惜しげもなく人手に渡していたのですが、気が付けば手元には1本も無くなってしまい、新規製作ができなくなって愕然とした思い出があります。
フォアアームです。
ビル・マクダニエルはベテランのキューメーカー(1974年からマクダニエルキューを製作しています)であり、フルスプライス、ショートスプライス、インレイのどのハギでも作れるのですが、インレイによる浮きハギデザインに優れたものが多いとスタッフ野田は感じます。
このキューも黒檀にステインの入ったバールウッドの浮きハギデザインで、マクダニエルの代表的なデザインの1つになっています。
ハギの中にインレイされたスピアヘッドのインレイもマクダニエルでよく使われる特徴的な形になっています。そしてハギとハギの間にスピアヘッドをラインでつないだインレイが入っています。
バットスリーブです。
黒檀のベースにハギと同じ色のバールウッドで縁取られたインレイが施されています。この中央が絞られた変形四角形のインレイの形もマクダニエル独特の物です。
このインレイの間にもフォアアームと同様のスピアヘッドとラインのインレイがあります。
リングワークはインレイによるダイヤとドットで構成されたものが採用されています。
ジョイントです。
伝統的な14山のパイロテッドジョイントです。
マクダニエルは初期のキューがバラブシュカを手本として製作されていたこともあり、14山が使用されているものがほとんどですが、少数ながらフラットフェイスの11山ジョイントのものも存在します。
バットキャップにはMcDANIEL CUEを意味するMとCを組み合わせたロゴマークが入っています。
オーナーさんは長年使用されているようで、バットキャップ下部に細かい傷と変色が見られますが、オリジナルメーカーでなければバットキャップ交換をするとこのロゴが消えてしまうので、修理するかどうか悩ましいところです。
サインやロゴマークはキューのアイデンティティを示す最たるもので、特別製のものほどそれは重要度を増します。キューショップジャパンにはそんなキューもたくさんあります。