お客様より投稿いただいたタッド・キューです。
シリアルナンバーが1300番台のキューで、オーナーの方はこのキューをもう28年間も使い続けているそうです。
タッドキューのファンが日本にたくさんいらっしゃることは言うまでもなく、それゆえにこのコーナーでご紹介する機会も多くなっています。
下記の写真はFMCCというイベントでタッドキューのオーナーが自慢の1品を持ち寄ったものですが、これだけのタッドが集まるのは日本だからこそでしょう。
また、1本のタッドを長期間愛用しているという方が多いのもタッド・オーナーの特徴ではないかと思います。
スタッフ野田もプレー用のキューとして持っているキューのうちの1本は20年以上前に入手したタッドです。
フォアアームです。
メイプルに黒檀で長短4本のハギが交互に入った親子8剣あるいは子持ち8剣と呼ばれるデザインです。長剣の中にはノッチドダイヤのインレイが入っています。
ハギのクローズアップです。
赤紫色のベニヤが綺麗ですね。オーナーの方もこのベニヤが気に入っているそうです。実は前述のスタッフ野田がプレー用に所持しているタッドもこれと同じような色のベニヤが付いています。製造時期も近いので、同じベニヤが使用されているのかもしれません。
ハギの先端部分のクローズアップです。
今回はオーナーの方にお願いして各部のクローズアップ写真を撮っていただきました。
ご覧の通り、ハギの先端には黒檀とマザーオブパールのインレイが入っており、短剣はドット、長剣はクローバーリーフとなっています。
何でもないようなインレイに見えますが、0.1mmでも位置が狂うと見た目のバランスが崩れるという、高い精度が要求される工作です。
バットスリーブです。
黒檀ベースにタッドらしいウインドウとオーバルとノッチドダイヤのインレイの組み合わせが入っています。
独特の長いデルリン製のバットキャップが付いており、TADのロゴマークが入っています。
クローズアップです。
4か所のウインドウのインレイの間に細いベニヤで構成された矢羽根模様のインレイが入っています。この矢羽根模様もタッドキューの大きな魅力の1つだと思います。
さらにハギに付けられたものと同じ赤紫色のベニヤで仕切りが入っています。
こういったフォアアームとバットスリーブ間でのデザインのマッチングをどのようにするかが、キューメーカーのセンスが問われる所です。
ジョイントです。
伝統的な5/16-18山のパイロテッドジョイントです。
現在も殆どのタッドキューはこのジョイントで製作されていますが、時代によってジョイントカラーの内径が異なるものがあるので、別のキューのシャフトを付ける際には注意が必要です。
タッド・キューのオーナーの方なら、キューケースもタッドをと思われるのではないでしょうか。
過去にはJ.Flowerがタッドのケースを少数ながら製作していましたが、それも絶版となって久しく、現在はほとんど入手不可能です。
そこでキューショップジャパンでは、プレミアムケースメーカーとして名高いウィットンケースに依頼して、タッド・カスタムキューに認可をもらい、正規品としてタッドのネームとロゴ入りのケースを製作・入手致しました。
1B2S、2B4S、3B6Sの3種があります。
タッドキューのオーナーの方には是非見ていただきたいケースです。