こんにちは、スタッフ野田です。
今回はダイヤモンドについてお話したいと思います。
宝石のダイヤモンドではなく、ビリヤード台のレールに埋め込まれている目印のことです。
日本ではポイントと呼ばれることが多いですね。その理由は丸い形をしているからだと思いますが、これはかつてはダイヤ形(菱形)でした。
18世紀以前、ヨーロッパで行なわれていたビリヤードの祖先となるゲームは、クリケットやゲートボールに近いもので、ゲートの内側に球を通す事を競うものでした。この時、最初に球を置く場所を特定するためにレール上に釘を打って印が付けられたのが始まりだと言われています。
こんなゲームです↓
19世紀になって、アメリカでレールに目印が付けられるようになります。その形が菱形だったため、「ダイヤモンド」と呼ばれました。
19世紀中ごろのビリヤード教本に掲載された図です。菱形をしていますね。
なぜ菱形だったのか理由ははっきりしていませんが、しばらくするとこの形についてプレーヤーたちから文句が出るようになります。それはこの菱形のどこを狙ったらよいのかがテーブルによって違うというものです。菱形の中心なのか頂点なのか?
そのため、菱形から単純な円に形が変えられ、「クッション・スポット」とか「レール・サイト」という名称も与えられたのですが、以前の名残でダイヤモンドと呼ばれ続けています。
これは現在アメリカのサイトで掲載されているテーブル各部の名称を説明した図ですが、「ダイヤモンド(diamonds)」となっています。
現在は丸形の物が多いですが、クラシックテーブルなどでは菱形になっているものも多く見られます。
アメリカには注文主の要望に応じて製作するカスタムテーブルがあり、菱形にするか丸形にするかを選ぶことができます。そしてその素材も色々用意されています。
これはアメリカの老舗テーブルメーカーが提供しているカスタム用ダイヤモンドの一覧です。
丸形と菱形の両方があり、それぞれにマザーオブパールやアバロニ、黒檀、真鍮、アルミなど実に様々なものが用意されています。
このような豪華なものがある一方で、こんなダイヤモンドが付いたテーブルもあります。
何と、レールに釘を打ち込んでダイヤモンドにしています。
しかも釘の頭がかなり出っ張っているようで、これでは服を引っかけて破いたり怪我をしてしまわないか心配になりますね。このテーブルにはPL保険はかけられているのでしょうか。
ダイヤモンドは最初キャロムテーブルのためのものでした。ポケットではその必要性があまり認められていなかったためです。
しかしポケットでもバンクショットや手球のポジションなどのためにダイヤモンドを使うようになり、その要望が高まりました。
その障害となったのは当時のルールで、いかなる目印となるものもレールに付けられてはならないとなっていたのです。実は現在のルールでもこのことについては明言されていないようで、その形や位置などについて「こうすればOK」といった規定がありません。
テーブルのメーカーがプレーヤーの要望に応じて勝手につけて、それが浸透していったというのが真実なのかもしれません。ダイヤモンドにはルール違反の嫌疑がかかったままなのです。
このような謎と神秘(?)に満ちたダイヤモンド、その輝きは永遠なのでしょうか。
DIAMONDS ARE FOREVER.
キューショップジャパンでは家庭用のビリヤードテーブルの販売もしています。
ご自宅の広さに余裕がある方、いかがでしょうか。