こんにちは、スタッフ野田です。
キューバッグのご紹介についての第2弾です。
生産本数が多いマスプロダクションキューメーカーは宣伝効果を考えてパッケージにも何らかの工夫をすることが多いのですが、少量生産のカスタムキューメーカーの中にはわざわざそんなものを作る必要はないと考える人もいます。
タッドやザンボッティ、サウスウエストといった有名で高額なキューでもパッケージはただの袋に入っているだけということが普通なのです。
スタッフ野田は以前あるカスタムキューメーカーに「高額なキューなのだからパッケージにも何か工夫をしたらどうか?」と意見を言ったことがありますが、返ってきた答えは「私はキュー自体の品質・性能で勝負しているのであって、パッケージで良い評価を得ようとは思わない」というものでした。
これはキューメーカーのポリシーによるので仕方がないのですが、購入する側としてはきれいなパッケージに入っていた方が気分よく受け取れますし、特別製のメーカー名が分かるような袋やケースが付いていることはキューの価値やメーカーの評価を高めることにもつながりますので、キューメーカーにはこういったことを考慮してほしいと思います。
ではキューバッグの紹介をしていきましょう。
これはリチャード・チュディのものです。
1B2Sの柔らかめの布製ですが、ちょっと厚手の布が使われています。
蓋の部分に「rc3」のロゴが入っています。
この袋が付くようになったのは2000年以降だったようです。
これはティム・スクラグスのものです。
2015年に亡くなったキューメーカーです。
この袋はあまり見たことがなく、現存する数はかなり少ないのではないかと思います。
リチャード・チュディのものとよく似た1B2S用の袋です。
赤色でトレードマークのTとSを組み合わせたロゴが入っており、蓋を縛るための紐が付いています。
これはダン・ディショウのものです。
あまり見かけないので、製作された期間は限定的だったと思われます。
派手な赤色をしていますが、形状や縫製はスクラグスのものとそっくりです。
カスタムキューメーカーは横のつながりが強いことも多いので、何人かのメーカーが同じところに
まとめて発注したのかもしれません。
これはクリス・ニッティのものです。
形が少し異なりますが、材質や縫製はスクラグスやディショウと同じようなものです。
2005年頃からこの袋が使用されるようになりました。
やはり1B2S用で、Nitti Cues のネームが入っています。
これはポール・デイトンのものです。
デイトンは2018年に亡くなっており、もともと生産数が少なかったこともあり、なかなかお目にかかることがないキューです。
この袋も前出のものと似ていますが、どうやっても似たような形になってしまうのでしょう。
ただ、使用されている布の種類や縫製、Dayton Cues の刺繍の仕方などが異なるので、この袋は
スクラグスのものなどとは異なる製作者の手によるものと思われます。
さて、こういった袋ではなく専用のケースをキューに付ける場合があります。
特別製のキューだけにケースを付けるという場合が多いのですが、その例を1つご紹介します。
プレデター社のキューケースです。
これはプレデター2が発売された際に記念として限定生産された革製の2B4Sケースです。ちなみにジョイントキャップも限定生産のプレデター2専用のものです。
製造数は定かではありませんが非常に少数だったことは間違いなく、日本国内で販売されたのは2~3本ほどでした。
そして製作したすべてのキューにケースを付けるメーカーもあります。
その代表格が名キューの誉れ高いジナキューです。
ジナキューは、90年代の初めころからキューをウイットンの本革ケースに入れて販売するようになりました。
当初はノーマルのウイットンケースそのままでしたが、90年代後半ごろから蓋の部分にジナキューのロゴマークを付けたものが使用されるようになりました。
写真のロゴマークなしのケースにはストラップが付いていますが、付いていない時もあったようです。
ジナキューは標準でシャフトが2本付属しているので1B2Sのケースが付属しているのですが、シャフトを3本にして、さらにそれを収納するために1B3Sのケースを付けてもらうこともできます。
このケースにはサイドハンドルが付いていますが、どのようなオプションが付くかは納品の時期によって変わるようです。(メーカーの気まぐれ?)
キューが1本しか収納できず、小物を入れるポケットもないこのようなキューケースは実用的とは言えないため、不要だと思う人も多いでしょう。
しかしジナキューの製作者であるアーニー・ギュテラス氏によると、ジナキューは高価であり、海外など遠方へ送ることも多いので、輸送中にキューを守るためにしっかりしたケースを付けるようにしたとのことでした。
なお、ジナキューのケースにはこんなものもあります。
これは1966年に製作された「シルバーキュー」と呼ばれる特別製のキューで、アーニーは家一軒との交換さえ拒否したという伝説の逸品です。
その名の通りハギやバットスリーブなど銀色の部分はすべて純銀で、とても木製とは思えないほど重いキューです。
そしてキューケースにも純銀がふんだんに使われています。
これはもう完全に実用とはかけ離れたコレクション用のアイテムと言えるでしょう。
キューショップでは当社オリジナルデザインのケースも色々販売しております。
これはというお気に入りのものが見つかるかもしれませんので、ぜひご覧ください。