こんにちは、キューショップジャパンのスタッフ野田です。
JPBA 羅立文プロと私のツーショットです。
カスタムキューと14-1をこよなく愛する還暦のオヤジです。
私はかつて某楽天ブログでスタッフKの名前でビリヤードのよもやま話をしていたのですが、先日これが閉鎖されてしまいました。(Kは私の下の名前のイニシャルです)
掲載されていた記事が読みたいという要望をいただいていることと、私もこのブログを続けたいという思いから、ここで再開を果たした次第です。
過去の記事を推敲・改訂したものを順次アップするとともに新しい記事も書いていきますので、倍旧のご愛読をお願いいたします。
さて、記念すべき再開第1弾は、最も基本的なキューの取り扱いについてです。
大切な自分のキューを長く使うために、ぜひとも読んでおいていただきたい内容です。
特に初心者の方に読んでいただきたいのですが、上級者でも自分のしている行為がキューにとってよくないということを知らない人がいます。
プレーに支障がない程度の曲がりや傷に、必要以上に神経質になる人が多いのですが、その割にキューを丁寧に扱っていない人も多いと感じます。
まず、キューは横からの力に弱いということを覚えておいてください。
球を撞くものですから、縦方向に力が加わることは考慮されていますが、横方向の強度については必要最小限しかありません。
キューに横方向の力がかかる最も顕著な例は、キューを倒すことです。
キューを倒して破損させてしまった人の話は、よく聞きます。初心者の方に多いのですが、ビリヤードテーブルの横にキューを立てかける人がいます。
*羅プロに特別出演してもらいました。
これではちょっと触れただけもキューは倒れてしまいます。上級者の人はキューを倒すことの危険さを知っていますので絶対にこんなことはせず、テーブルの上にキューを寝かせて置いたりします。
また、シャフトのしなりを見たり異音がしないかチェックするために、ジョイントの横を手で叩く人がいますが、これも避けるべきです。どうしてもしなければならない場合でも、絶対に強く叩いてはいけません。各部の緩みや破損につながる、危険な行為だということを認識した上で行なってください。
次に気をつけるのは、ブレイクショットの際に過度にキューを押さえつけないことです。これはキュー先をレール上に押さえて体重移動でブレイクする人が特に注意しないといけないのですが、瞬間的なことなので自分自身でこれを認識することは難しいです。
次ですが、これもよく見る光景です。写真をご覧ください。
ご存知、オシボリでシャフトを拭いているの図です。
まず、シャフトに湿気は禁物なので濡れたオシボリをこすり付けること自体があまりよくないのです。シャフトが湿気にさらされれば、曲がったり性質が変わったりする危険性があります。
そうは言っても、スムーズにストロークするためには、シャフトをいつもきれいにしておかなくてはなりません。そして、そのためにはオシボリで拭くというのが簡単で効率的であることも事実です。したがってシャフトに及ぼす影響を覚悟の上という前提で使用してください。実は私もしていたりします(^_^;)
ただ、オシボリで拭いたあと、すぐに乾いた布で拭くようにしてください。布がなければ、素手でシャフトをこすって、摩擦熱で水分を飛ばすようにしても良いです。こうすれば湿気による影響を最小限に抑えることができます。
それとは別に、もっと大きな問題が上の写真にはあります。これはオシボリでシャフトを握って下方向へ動かしているわけですが、これはキューにとって非常に危険な行為です。これでキューを折ったという人が、私が知るだけでも3人います。(羅立文プロは、もちろん普段こんなことはしていません。)
キューが折れる場合、ジョイントの下の部分から斜めに折れることがほとんどで、私がバリー・ザンボッティの工房を訪れた際にも同じように折れたザンボッティ・キューがありました。
ご覧のとおり、ジョイントの下から斜めにバッサリ折れています。(勿体無い!)
このキューの持ち主はゲーム中に激昂してキューを何かに叩きつけて壊したそうです。修理に持ち込まれてずいぶん経つらしいのですが、バリーは修理する気はないようでした。
コグノセンティなどが使用するエポキシ樹脂のジョイントピンだとバットが折れる前にこのピンが折れてくれることが多く(このケースも2件知っています)、ピン交換で修理可能な場合があるのですが、バットが折れたら元通りに修復することはほとんど不可能です。前述の折れたザンボッティを修理することは技術的に可能なのかとバリーに聞いたところ、「フォアアームを作り直すしかないが、それは新しいキューを作るのと変わらない作業だ」とのことでした。
オシボリでシャフトを拭く時は、決してバットに力をかけないように、シャフトを回転させながら拭いてください。そうすれば悪夢の事態を避けることができます。
シャフトのすべりを良くするためにはオシボリで拭く以外に、紙やすりをかける、パウダーを付ける、グローブを使うなどの方法がありますが、どれも一長一短です。
シャフトには一切手を加えず(ニスも取らない)乾拭きのみにして、グローブでプレーすれば手の脂がつくことも少なくキューにとって一番良いのですけどね。
他にもいろいろありますが、続きは次回にお話したいと思います。
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なお、当社ではオシボリは扱っておりません。