こんにちは、スタッフ野田です。
不可能を可能にするショットのように、逆境をどうにかすることを取り上げることが多いテクニック講座ですが、今回はタイトルのとおり幸運がめぐってきた場合の問題です。
的球がテーブル全体に散って特にトラブルもなく、取り出しの球も簡単な配置が運よくあなたに回ってきたとしましょう。そんな時、あまり深く考えずに取り切りを始めていませんか?
簡単そうに見える配置にも思わぬ落とし穴が潜んでいることがあるという、そんなお話をしたいと思います。
では配置図をご覧ください。ゲームはナインボールです。
対戦相手は1~3番までポケットしましたが、スクラッチしてしまいフリーボールであなたの出番です。
残りの的球は4~9番の6個で、簡単に取り切れそうな配置です。
さて、あなたはこの配置をどうやって取り切りますか?
しばしお考えください。
まずはフリーボールで4番を狙うのですが、下図のようにストップショットで4番を入れて、次に5番をサイドに入れると考えた方が多いのではないでしょうか。
6番に適度なフリが付けば7番へ出すことが簡単にできます。
この図の点線球の位置ではちょっと6番に厚すぎで、もう少しフリをつけた方がいいですね(^_^;)
まあ無事に6番を入れて7番を楽に入れられる場所に手球をもってこれたとしましょう。
しかし・・・
そうやって7番まで取ると最後の8・9番の配置はこうなります。
どうですか? たとえフリーボールでもこの8番から9番へのポジションは、簡単ではないことがおわかりでしょうか。
この8番のような穴前の球は、厚みや力加減のちょっとした違いにより手球の動き方が大きく変わってしまうのです。
9番が穴前にあるならいいですが、今回はフットスポット付近にあるため、もし手球のコントロールに失敗すると9番をポケットするのが難しくなるという危険地帯がいっぱいあるのです。
では、もし8番の代わりに7番が残っていたらどうなるでしょう?
7番へ厚めにしておけば、ストップショットで9番に確実にポジションすることができますね。
そうです、このことにフリーボールをもらって取り切りを始める前に気付くべきなのです。
そうすれば4・8のコンビで8番を台上から消しておくという考えが生まれます。
4番をやさしく8番に当てて、手球は5番にポジションしておきます。
もし4番が8番と一緒にポケットすればそのまま5番を狙えばいいですし、4番が残っても穴前にあるはずですから、そこから5番にポジションするのは難しくないはずです。
普通にポケットできる球をわざわざコンビネーションにすることは通常ありませんが、場合によってはそうすることによって取り切れる可能性を高くすることができるのです。
簡単に見える配置でも油断なく観察し、あらゆる可能性を考慮しましょう。
安直にプレーを進めれば、しなくてよい苦労をしなければならなくなります。
チャンスが来た時に確実にモノにできるよう、日頃から基本的なショットができるように準備しておきましょう。
何事も基本が大事です。
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