こんにちは、スタッフ野田です。
羅立文(ローリーウェン)プロによる14-1解説動画その19です。
例によって1球ずつ次に何をしたいかを説明しながら撞いてもらっています。

それでは早速動画をご覧いただきましょう。
前回同様にヘッド側からブレイクする配置です。
今回は長短の2クッションでラックを下からブレイクします。

今回のブレイクの配置です。
ブレイクボールとなる①はヘッドスポット上で、手球もヘッドライン上の長クッションから1ポイントのところにあります。
ブレイクボールがラック範囲内に残った時はヘッドスポットに置きなおすというルールがあるため、意図的にヘッドスポットの的球からのブレイクを選択する場合があります。
今回の配置ではワンクッションでもブレイクは可能ですが、その場合手球をサイドポケットぎりぎりのところにクッションさせなければならないという難しさがあります。
長短の2クッションでは、ちょっと引き気味の撞点で強めに撞けば、ほぼラックへ向かうコースをたどりますが、下からのブレイクなので手球がラックの下に留まってしまい、次に狙える的球がない、もしくはあっても遠いコーナー狙いなどの入れるのが難しいものばかりになる可能性があります。

ブレイク後の配置です。
手球を2クッションさせた後にラック底部のなるべく左端に当てたかったのですが、最後列の中央にあった⑫に当たって左に動いたところを、ラックの角にあった⑥にも当たってラックの下側で止まってしまいました。入れられそうな的球は遠いコーナーへの②のみです。
上述のブレイク配置の説明で危惧したことが現実に起こってしまいました。
このような長距離ショットで正確にラックの望む所に手球を当てることは非常に難しいので、致し方ないところです。
②は遠いですが、ほぼコーナーへ真っすぐな配置なので、まだラッキーと言えるでしょう。
次に狙える的球は⑥・⑪・⑭の3個ですが、いずれもポジションが簡単ではなく、②のショットは入れとポジションの両方に神経を使う難しいものです。

②を入れて手球に少し引きをかけて⑥に出したところです。
⑥を取り除いて⑬をコーナーに取るコースをあけて、⑭を使って⑬へポジションする予定です。
(羅プロは⑮と言っていますが、⑭の間違いです。)

⑥を入れて⑭にポジションしたところです。
⑭をサイドポケットに入れて手球をゆっくり前に出せば、⑬でセカンダリーブレイクするポジションが取れます。

⑬にポジションしてブレイクの態勢が整いました。
クラスターの頭に当たるので的球をバラバラにできる可能性が高いブレイクです。
この②→⑥→⑭→⑬でブレイクにつなげるというプレーが今回のラックのキモですね。
羅プロには「精密機械」というニックネームがありますが、まさにその面目躍如といったところです。
こういった組み立てを考えつき、その通りに上手くプレーできたときの達成感こそが14-1というゲームの醍醐味だと思います。

⑬でセカンダリーブレイクしたところです。
クラスターは見事に割れて的球がきれいに散らばりました。
そこで羅プロは早々にブレイクボールを⑨と想定して取り切りにかかります。
ただ、一応⑨と想定はしているものの、まだ多くの的球が残っているのでポジションミスなどの想定外のことが起こることに備えて、代替案のことも考えておくべきです。
スタッフ野田ならサイド前にある④を保険としてなるべく最後まで残すでしょう。
この④は⑨へのキーボールとなる可能性が高く、もし⑨が使えなくなったら④でブレイクする方向に切り替えます。
さて、ここからは的球が散っているので様々な取り切り方が考えられます。
羅プロはまず⑤、次に⑧を取りに行きます。
ラック範囲内にある4個の的球が近接した状態なので、これをすっきりさせたいところです。
また、すでに的球が散っているので余計な的球を動かして新たなクラスターを作ってしまわないように注意が必要です。

⑤の次に⑧を入れ、手球を少し前に出して次に入れる⑫を右フリにします。
⑫からは手球を前に出して⑮を右コーナーに狙う予定です。
このようにしてラックの下の方にある的球を片づけていきます。
的球をエリアによってグループ分けして、エリアごとに的球を片づけていくのは取り切りを成功させる有効な方法の1つです。

⑧はほぼ真っすぐだったので、手球を殺して⑫を右フリにしました。
中心撞きで手球を接線方向に走らせるスタンショットを使って⑮へ出しにいきます。

⑫を入れたところです。
当初は次に⑮を入れる予定でしたが、⑩を使って⑮に対してより良いポジションが
取れる位置に手球が止まったので、先に⑩を入れます。

⑮に厚くポジションできたので、次に隣にある③を狙います。
③の次は手球を前に出して、⑪を左サイド→⑦を左手前コーナー→④右サイドの順で⑨でのブレイクポジションを取る予定です。
④はブレイクボール⑨に対する理想的なキーボールとなる位置にあり、もうこのラックを取り切るのは楽勝のように見えますね。
しかしほんの少しの油断や不注意によってチャンスがピンチに変わってしまう例を、このあとにご紹介することになります。

⑮から③に出したところです。
③は左フリにはなっているものの、手球をゆっくり前に出すと⑨に当たってしまいそうな角度になっています。
羅プロは手球が⑨に当たる危険を承知の上で③をゆっくり撞いて⑪へ出しに行きます。
これはもし手球が当たっても⑨は少ししか動かないであろうという予測に基づいています。

ここでトラブル発生です。
⑪をストップショットすれば⑦に厚くポジションでき、キーボールとなる④へのポジションも簡単だったはずなのですが、手球が⑨にくっついて⑪をストップショットすることが不可能となってしまいました。
手球があと球1個分前に出ていれば全く問題なかったのですが、こういったわずかな厚みや力加減の違いにより難易度が大きく変わるところがビリヤードの恐ろしいところで、特に14-1ゲームでは頻繁に発生します。
羅プロは予定を変更して④から引きで⑦にポジションしにいきますが、これは想像以上に難しいショットです。
遠くて微妙なフリが付いており、しかも⑨に触らないようにギリギリのところでキューを出さなければならないという三重苦を克服しなければならないのです。
ポジションに精度を要求される14-1ゲームでは、このような落とし穴がいたるところにあり、いかにしてそれらを発見し回避していくかが大きなポイントとなるのです。

④から⑦に対してほぼ真っすぐなところに手球をポジションすることができました。
的球を入れるだけでも難しいショットを決めて、ポジションも完璧!
すばらしいリカバリーショットです。
ピンチから一発で脱出に成功し、⑦をストップショットすれば新たなキーボールとなる
⑪にポジションできます。

⑪をサイドにほぼ真っすぐに取れる配置となりました。
あとはブレイクボールとなる⑨に好みのフリが付くように加減を調整するだけです。
わずかに右フリが付いていたので、羅プロはワンクッションで⑨にポジションしています。

羅プロはブレイクボールとラックの間に距離がある場合は薄めにポジションすることを薦めています。
ブレイクボールがラックに近ければ、手球がラックのどこに当たるか正確に予測でき、それによって押し引きなどで手球のコントロールができるのですが、遠くなるとそれが難しくなります。
そのためブレイクボールを薄くして強くラックを割り、的球が見えなくなる可能性を低くするというわけです。

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