こんにちは、スタッフ野田です。
腎臓の手術で入院していたため、ブログの更新が遅れてしまいました。
皆さんも健康にはくれぐれもご注意ください。

さて、今回のブログは羅立文(ローリーウェン)プロによる14-1解説動画その22です。
例によって1球ずつ次に何をしたいかを説明しながら撞いてもらっています。

それでは早速動画をご覧いただきましょう。
今回の配置は前回と全く同じで、ブレイクボールがフット側コーナー穴前にある配置です。

ブレイクボールはコーナーポケット穴前にあり、絶対にブレイクボールを外すことのない配置です。
前回はできるだけ強くラックを割って的球を大きく散らせて、狙える的球ができるチャンスを増やすというブレイクでしたが、今回は手球のコントロールを重視したブレイクです。
手球に右ヒネリをかけて赤線のようなコースを走らせ、ラック底辺の左側を狙います。
手球はラックに当たった後に左の長クッションに入り、そこで右ヒネリが効いてテーブル中央に向かうという構想です。
実際にテーブルに配置してみるとよくわかるのですが、ワンクッションした後にラックの底辺に斜めに当てるための角度の許容範囲はかなり小さく、しかもブレイクするためにある程度強く撞くことになるので、わずかな厚みや撞点の違いにより大きくコースが変わってしまうのです。
従って闇雲に強く撞くことは避け、確実にラックに当たるように心がける必要があります。

ブレイク後の配置です。
手球はうまくラック底辺の左側に当たりました。
右ヒネリが効いて手球が長クッションからテーブル中央に向かおうとしていたことにご注目ください。手球が⑮に当たってこの位置に止まってしまいましたが、当たらなければもっとテーブル中央にポジションして、多くの的球が狙えるようになったと思われます。
もしラック底辺の右側に当たると手球はフットレール側に落ちてきてしまう可能性が高く、最悪の場合はコーナーにスクラッチする可能性もあります。
さて、何個かの的球を狙うことができますが、いずれも遠いコーナーかサイドポケットへとなります。
手球をラックの下に当てるブレイクでは、手球を上手くラック上部へ逃がすことができずに遠い球しか狙えなくなることは覚悟しておきましょう。
羅プロはストップショットで⑪を遠いコーナーへ入れ、センターにある③にポジションします。

⑪を入れて手球は③をサイドポケットにほぼまっすぐに狙える位置に止まりました。
③の次は⑫でセカンダリーブレイクを行なうので、③から少し引いて⑫に十分なフリを付けます。

③を入れたところです。
計画通り次に⑫でクラスターをブレイクします。
手球が⑫からクラスター内の⑨に対して厚く当たることが予測できるので、少し引きを入れてブレイクします。
これはブレイクされた的球がフットレール側に散らばることが予想されるため、手球を手前に
引いておけば次に狙う的球の選択肢が増えると予想されるためです。
⑫のすぐ横にある⑮が保険球として機能していることも重要です。

⑫でブレイクしたところです。
必要最低限の力加減でブレイクしていることにご注目ください。
もっと強く割ることもできるのですが、そうすると手球が大きく動いて次に狙える的球があるかどうかが運任せになってしまいます。
そのため、次に⑤か⑮が狙えるようにすることを重視しているのです。
このように可能な限り保険球を確保しながらブレイクしていくことが14-1では非常に重要です。
的球がきれいに散ったので、⑦をブレイクボールと想定して取り切りを進めます。
⑤、⑮の他に⑩も右下コーナーにまっすぐの配置になっているのですが、羅プロは⑮を入れて⑥へポジションしにいきます。
もし⑩に右フリがついていたら、⑩を入れながらすぐ横にある⑧⑨を動かしにいったかもしれませんが、まっすぐだったので⑮→⑥と狙いにいきます。

⑥に少し右フリの配置になりました。
次にフット側にある②、⑭をポケットすることもできますが、羅プロは⑩に出しに行きます。
これは、その後に⑧⑨を片づけたいという思いがあるからです。
⑥を狙う最大の理由は、⑥がなくなれば⑧・⑨を左下コーナーに取るコースをあけられるからです。⑥が⑧・⑨のブロックボールとなっているというわけです。
そしてブレイクボール⑦を動かさずに⑧・⑨を左下に取るためには⑩が最適なキーボールとなります。
先ほど⑩を狙わなかった理由はここにあります。
そして②・⑭を残しておいた理由もちゃんとあり、それはまた後程解説します。

⑩に対して少し左フリになりました。
手球の動きを抑えて次に⑨を狙いにいきます。
もし右フリになったら⑧⑨をブレイクし、その際の保険球が②・⑭となります。
⑥から⑩へノークッションでポジションしているのはなぜだろうと思われた方がいらっしゃるかもしれません。もちろんワンクッションでポジションすることも可能なのですが、そうすると手球が⑩のシュートラインとほぼ直角のコースを進むことになり、ポジションの許容範囲が狭くなってしまうのです。
2つのコースをグレーの線で示しましたが、ワンクッションの方は赤線で示した⑩のシュートラインと直交していることがわかります。
ちょっとしたことですが、こういった判断ができるかどうかで大きく結果が変わってきてしまうこともあります。

⑨にはほぼまっすぐになりました。
手球をゆっくり前に出して次に②、⑭を狙います。

②へポジションしたところです。
次はワンクッションで⑭にポジションします。

⑭はかなり厚くなったので、真後ろに引いて⑧にポジションします。
さて、ここまで見てきて②・⑭を残しておいた理由がお分かりになったでしょうか。
⑥を取る段階で②・⑭も片づけておくことは可能だったのですが、そうはしませんでした。
その理由は⑧・⑨を連続で取ることが難しいためだったからです。
⑩を使って⑨を左下コーナーに取ることはできましたが、ブレイクボール⑦を温存したまま⑧を取るには絶妙なコントロールが必要とされます。
そのため、羅プロは②・⑭を使って⑧を取る算段をするつもりだったというわけです。
今回は⑭がわずかに右フリだったので直引きしましたが、引いたら⑧に当たりそうな配置だったら、⑭をストップショットで入れて⑧を左サイドに狙ったでしょう。
ただし、これが最善の方法かどうかは人によって異なり、⑥の前に⑧のブロックボールとなっている⑭を取った後に⑥→⑩→⑨とすれば、⑧を右コーナーに取れるという考え方もあります。
さて、ブレイクボール⑦の上に3個の的球があり、いずれもキーボールとして使うことが可能です。⑧からのポジション次第でどれをキーボールにするかが決まるでしょう。

⑧は少し左フリとなりました。
羅プロはスタンショットで手球をキーボール候補の3個の的球の上に出しにいきます。
手球の停止位置によって、この3個を取り切る順番を決める予定です。

手球は⑤と⑬の間を抜けて絶好の位置に止まりました。
⑤と⑬の隙間は狭いのですが、スタンショット(手球が無回転で的球に当たるショット)では
手球の向かう方向がかなり正確に予測でき、たとえ手球がこれらの的球に当たってしまっても
次に3個のうちどれかは狙えると考えて羅プロはこのショットをしたようです。
キーボールは⑤に決めて、④→⑬→⑤の順で取っていきます。
まずは少し右フリになった④から引球で⑬に厚くポジションします。

⑬はコーナーポケットにまっすぐです。
ストップショットか、わずかに引くぐらいの加減でキーボール⑤に適度な右フリが付けられます。

うまく⑤に右フリが付きました。スタンショットで手球をセンタースポット付近へ動かします。

⑤を入れて手球をセンタースポットに止めました。完璧なブレイクポジションです。
ブレイクボール⑦はラックに近いので、あまり大きな角度を付けることはせず、手球がラックのどこに当たるかをできるだけ正確に予測して撞点を決め、ブレイクします。
また、⑤に少し右フリをつけて手球をセンタースポットに動かしたのには、ブレイクボールに適切なフリを付けることの他に、手球が遠くなって撞きづらくならないようにするという狙いもあります。
手球が遠いと体勢が不安定になり、強く撞くブレイクショットでは、狙いが狂ってブレイクボールが外れたり、撞点がズレて手球に思うようなスピンがかけられなかったりします。
手球がブレイクボールから遠くなるのは避けたいですが、あまり近いと撞きづらくなるということも考えに入れておきましょう。

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