ZENキュー
羅立文(ローリーウェン)プロの使用しているZENキューです。
ブランドネームの由来は、製作者の名前「阿 仁(A ZEN)」からです。
この人はキュー製作に20年以上関わってきた経験があります。
台湾の人なのですが、現在は工房を上海に移して8人ほどの職人で製作しているそうです。
フォアアームには龍のインレイが施されています。
全体が見えないので、少しずつ回した画像をどうぞ。
ご覧の通り、宝玉を掴んだ龍がシルバーのインレイで表現されています。
目と爪は金のインレイになっていて、雲は銅のインレイです。
金属の薄い板なら自由自在に曲がるとはいえ、こんな精緻なインレイを入れるのには恐ろしいほどの時間と労力がかかったことでしょう。
バットスリーブです。
こちらには鯉が描かれています。
バットキャップに金でロゴマークが入っています。
反対側の画像もどうぞ。
ZENキュー独特の「雷文」と呼ばれるリングワークがよく分かります。
この龍と鯉のデザインは「龍門鯉魚図」と呼ばれるもので、「山西省の黄河の急流を登りきった鯉は龍になる」という中国の言い伝えが元になっています。
ジョイントは3/8-11山のフラットフェイスです。ちょっとネジ山の形が変わっているので同じ11山でもサウスウエストなどのシャフトは入らないかもしれません。
全長は標準的なのですが、シャフトがバットより少し長い独特の構造をしています。
尻ゴムを外したところです。製作年度とシリアルナンバーがあります。
このキューは全体の重さが555g(約19.6oz)あります。
タップはZENオリジナルタップで、先角直径は12.6~7mmです。
ノーマルシャフトなのですが、撞いてみると見越しが少ない使いやすいキューであることが分かります。
人気があるので増産体制に入っているそうですが、まだしばらくはなかなかお目にかかれない希少なキューです。