ジナキュー
ジナキューです。
「いやに古臭いキューだけど、本当にジナキュー?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
このキューはファースト・エディション(第1世代)のジナキューなのです。
製作者は言わずと知れた名職人アーニー・ギュテラスです。
1960年代の初めからキュー製作をしていたアーニーは1973年に突然それを中止してしまいました。
15年後の1988年にキュー製作を再開して現在に至るのですが、1973年までのものをファースト・エディション、1988年から現在に至るまでのものをセカンド・エディションと呼んでいます。
セカンド・エディションはNC旋盤をはじめとする最新の機器を駆使して製作されていますが、ファースト・エディションは当然ながらすべて手作業で作られています。
フォアアームです。
ベニヤ入りの4剣デザインです。
これはタイトリストのブランクの流用かもしれません。
タイトリストというのは当時ブランズウイック社が製作していたキューのモデル名で、バラブシュカなど多くのカスタムキューメーカーがそのハギの部分を利用してキューを作っていました。
バットスリーブ
黒檀にマザーオブパールのドットインレイで構成されたデザインです。
アルミニウムのリングが時代を感じさせます。
アルミは柔らかくて加工がしやすいのですが、それは変形しやすいということも意味しており、さらに腐食しやすい(白いアルミ錆が出る)という欠点があります。
近年のキューにもアルミが使われているものがありますが、それはジュラルミンのような強くて腐食しにくいアルミ合金になっていることがほとんどです。
ジョイント
ステンレスのジョイントカラーとピンです。
もちろん18山のパイロテッドジョイントです。
アーニーは第1・第2世代ともに一貫してこのジョイントを使っています。
ロゴ表示
グリップ下部のリング内にブランドネームが入っています。
タッドなどにもこの部分にロゴ表示されているものがあります。
アルミリングの腐食の具合が分かりますね。
当然ながら第1世代のものより第2世代の方がクオリティは高いのですが、クラシックなデザインの第1世代のジナキューを求めるコレクターも多く、今でも人気があります。