リチャード・ブラック
リチャード・ブラックです。
バラブシュカを手本にしてキュー製作を学んだと言われていますが、このキューはザンボッティの影響を強く受けているようです。
基本的なデザインは非常にオーソドックスなものですが、ちょっと変わっている点もあります。
フォアアームです。
バーズアイメイプルに黒檀の4剣という王道のデザインです。
グリップとフォアアームの間にブシュカリングが入っているところにバラブシュカからの影響がみられます。
ハギには黒と白(メイプル)が交互になった4枚のベニヤが付けられています。
ハギの中にスリーピースダイヤと呼ばれる3分割のインレイが入っていますが、このインレイはバットスリーブに使われることがほとんどで、このようにハギの中に入れられた例は大変珍しいと思います。
バットスリーブです。
スリーピースダイヤのインレイはこのようにバットスリーブに使われることが多いです。
このキューはハギの中のインレイをこれとマッチングさせているというわけです。
ありそうでなかなか無いデザインですね。
ジョイントです。
今更説明の必要もない、伝統的な14山のパイロテッド・ジョイントです。
リチャード・ブラックはほとんどのキューが14山ですが、そうでないものも僅かながら存在します。
フォアアームのサインです。
1998年6月22日という製造年月日が示されています。
リチャード・ブラックはこのようにフォアアームに手書きでサインが書かれている事で有名ですが、サインだけで日付がないものや、日付が年号だけのもの、年と月だけのものなどがあります。