KENNY MURRELL CUSTOM CUES
ケニー・ミュレル、キューメーカーとしてこの名をご存知の方はいらっしゃるでしょうか。
スタッフ野田はこのキューを見せてもらうまでまったく未知のキューメーカーでした。
イリノイ州のキューメーカーで、同じデザインのキューは2本とは作らないというポリシーで制作を続けています。
そのため製作本数が少なくて、なかなかお目にかかれないキューです。
彼も多くの他のキューメーカー同様、キューの修理をするうちにキューメーカーになったという経歴の持ち主です。
フォアアームです。
黒檀のバットに黒檀のハギ、いわゆるエボニー・オン・エボニーと呼ばれるデザインです。
ハギの中には縁取りされたダイヤインレイが入り、極薄の黒板を含む5枚のベニヤが付けられています。
この技術はすごいですね。
製作本数が少なくて珍しいというだけではキューメーカーが評価されないのは当然で、クレイグ・ピーターセンやフランク・コスタなど製作本数が非常に少なくてキューの値段が高いというメーカーは何人か存在しますが、いずれも卓越したデザインと高品質がともなってこそのものなのです。
そしてこのケニー・ミュレルもその類に属するキューだと思います。
バットスリーブです。
黒檀に各辺が湾曲した製作の難しいコンケイブドダイヤを3重に入れたインレイを中心に、同様のノッチドダイヤ及びドットインレイで構成されたデザインです。
バットキャップも黒檀です。
このキューのリングは、多数の小さなドットインレイで形作られています。従ってリングのように見えますが実はリングワークではなく、インレイワークなのです。
ドットが何個あるか数える気にもなりませんが、大変な時間と労力がかかったことでしょう。
ジョイントです。
オーソドックスな14山のパイロテッドジョイントです。
ジョイントキャップに「M」のロゴマークが入っています。
このジョイントキャップにもインレイとドットリングが施されています。
これを作るのも大変だったと思います。
このようなキャップを作ることからも、キューメーカーの自分の作品に対する自負や情熱、思い入れなどが感じられますね。
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