BARRY SZAMBOTI
バリー・ザンボッティです。
今は亡きガス・ザンボッティの跡を継いで息子のバリーがザンボッティ・キューの製作を続けていることは多くの方がご存知でしょう。
ザンボッティといえば伝統的なメイプルに黒檀の4剣ハギが主流ですが、このキューはそれとはまったく異なるインレイだけで構成されたデザインになっています。
このキューにはバリー直筆の保証書(製作説明書)が付いており、それによるとこのデザインは注文主のアイディアによるものだそうです。
フォアアームです。
鳥眼杢がきれいに出ているバーズアイメイプルに、ザンボッティらしさを示すインレイが施されています。
このインレイはあまり多用されることはないのですが、ザンボッティ独特のデザインです。
グリップは革巻きになっています。
バットスリーブです。
3種類の異なったインレイがドットインレイで仕切られた形で入れられています。
4ピース・スター、プロペラ、エレベーター・スイッチと呼ばれています。
キュー全体の雰囲気はザンボッティとしては異色のものですが、個々のインレイはどれもザンボッティらしさを醸し出しています。
ジョイントはもちろん14山のパイロテッドです。
ジョイントのリングワークは大変珍しい丸と四角が交互に入ったもので、このキューのために特別に作られたものと思われます。
多くのキューメーカーは自身のポリシーに反しない限り、できるだけ注文主の要望に応えようとする姿勢を持っており、ザンボッティも例外ではないことがこのキューを見ると分かります。フタッフ野田もバリーに注文して作ってもらったことがありますが、細かくて面倒な注文に丁寧に応えてくれました。