PAUL MOTTEY CUES
ポール・モッティのキューです。
モッティは高齢のために現在はもうほとんどキューを作っていません。
スクリムショウを多用したきらびやかなキューもありますが、モッティらしい伝統的な美しさを求めたこのようなデザインのキューに愛着を覚える人たちの方が多いように思います。
フォアアームです。
バーズアイメイプルのバットにローズウッドの4剣デザインで、4枚のベニヤが入れられています。
ハギの中にはピーコックと呼ばれるインレイとドットが3個配置されています。
格子リングの中にもドットインレイが入っています。
バットスリーブです。
中心にスピアヘッドと呼ばれる矢尻型のインレイを対称形に配置し、ラインでつないだスピアヘッドとバーベル型のインレイを並べ、さらにダイヤとドットで飾りつけています。
ごちゃごちゃしているようですが、統一したデザインとして考えられています。
ジョイントです。
伝統的な5/16-14山のパイロテッドジョイントです。
ジョイントとシャフトのリングワークはローズウッドにコンケイブドダイヤとドットが交互にインレイされたものになっており、マッチングデザインのジョイントキャップにもそれが入っています。
デザインのテーマはドットとダイヤとスピアヘッドといったところですね。
フォアアームに書き入れられたサインと製作年月です。
1995年1月であることが分かります。
ベニヤがきれいですね。
ハギの中に入れられたピーコックのインレイの様子がよくわかります。
これはスピアヘッドとダイヤの組み合わせなのですが、別部品ではなく1つの部品として切り出されています。
ザンボッティによって作られたデザインですが、当然ながらスピアヘッドとダイヤの境目は非常に細くて折れやすく、作業中によく破損するとバリー・ザンボッティは言っていました。どうしてこれを1つの部品にする必要があったのか疑問なところですが、キューメーカーの腕前を見せる意味があるのかもしれません。
キューショップジャパンにもポールモッティの在庫があります。