RICHARD CHUDY CUSTOM CUES
カリフォルニアのキューメーカー、リチャード・チュディの豪華なキューです。
彼は何度か来日したことがありますので、直接会ったことがある方もいらっしゃるでしょう。
同じカリフォルニアのキューメーカーであるジェリー・マクウォーターと懇意で、二人そろって来日したり、ホテルの部屋を二人でシェアしたりしていました。
大学で絵画と彫刻を学んでいたためか、彼の作るキューはベニヤを片側だけに入れたり、ジョイントカラーをロストワックスで作ったりといった前衛的なチャレンジをしている印象を受けます。
そしてこのキューのデザインも大変大胆なものです。
彼は大学時代からキューの修理に携わっていたのですが、自分の芸術的センスを発揮する方法として絵画でも彫刻でもなくキューを選んだのです。
スタッフ野田がチュディ氏と最初に会った時の写真です。
1996年のスーパービリヤードエキスポ会場でした。
身長2mはあろうかというほど背が高いのに驚いたことを覚えています。
ちなみにスタッフ野田の身長は170cmです。
ではこのキューの各部を見ていきましょう。
フォアアームです。
何といっても目を引くのは、ハギの代わりにいれられた女性のシルエットをかたどったインレイです。
このキューには「La Femme Blanche」(フランス語で「白い女性」の意)という名称がつけられており、リチャード・チュディのキューの中でも特別な1本です。
クローズアップです。
金属を撚り合わせたラインが入っており、14Kが使われているとのことですが、専門家に見てもらったところ、これは金と銀の合金であるホワイトゴールドではないかとのことです。
14K(14金)というのは純度58%の金の意味で42%は他の金属が含まれているのですが、その中に銀が含まれているのがホワイトゴールドだということです。そのため銀色に近い金色をしています。
この撚り線がリングワークの代わりとしてキューの各部に入っています。
撚り線の先端には本物のダイヤモンドが入れられています。
こちらはオーバル型インレイのクローズアップです。
RC3のロゴマークが入っています。
これは「RICHARD CHUDY CUSTOM CUES」の頭文字をとったもので、最初のころはバットキャップに入れられていましたが、その後フォアアーム(主にハギとハギの間)に入れられるようになりました。
バットスリーブです。
通常のリチャード・チュディ・キューには見られない手書きサインと製作年月が書かれています。
1996年製であることがわかりますね。
このようなサインもこのキューが特別製であることの証明です。
ジョイントです。
ごく初期のころは18山のフラットフェイスだったようですが、このような太ネジの変形10山のフラットフェイスジョイントになりました。
そして1997年頃からコグノセンティなどで使われるG10エポキシ樹脂製のジョイントピンを使用するようになり現在に至っています。
バット側のジョイントキャップもロゴマーク入りの特別製です。
このキューはカスタムキューのカタログとして知られるブルーブック第2版のカラーページで紹介されています。
今まで製作されたリチャード・チュディのキューの中でもトップクラスの1本です。
このリチャード・チュディはキューショップジャパンで販売中です。
ほとんど新品に近い状態で、世界中にこれ1本、そしてもう2度と手に入らない逸品です。