RICHARD CHUDY CUSTOM CUES
90年代末期の作と思われるリチャード・チュディです。
#076のリチャード・チュディを紹介した際にハギのを片方だけにベニヤ入れたキューのことに言及しましたが、このキューはまさにその代表的なものです。
フォアアームです。
バーズアイメイプルのバットにココボロのハギが入っています。
ご覧の通りハギには片側だけにベニヤが入っています。
これはチュディの代表的なデザインの1つであるアシンメトリカル・ポイント(非対称ハギ)というもので、日本では「片ハギ」と呼ばれています。「片方だけにベニヤが入ったハギ」を略したものですね。
このように本来対称形のデザインを意図的に崩すことは危険な賭け(見た目が悪くなる)なのですが、まったく違和感はなく、むしろ優れたデザインセンスを感じさせます。
バットスリーブです。
このキューはココボロのプレーン仕様ですが、ここにフォアアームと同様の片ハギが入っているキューもあります。
リングワークもこの時代のチュディを代表するスターリングシルバーの12セグメントのもので、多くのチュディ・キューに使われました。
ジョイントです。
コグノセンティが使用するものと同じG10エポキシ樹脂の材質で作られていますが、ネジ山の形が少し異なります。
90年代末ごろからこのジョイントを使い始めて、後にこのジョイントピンの頭にロゴマークとシリアルナンバーが入れられるようになります。
10山のジョイントなのですが、少し変則的なネジなのですべての10山シャフトが入るとは限りません。
ハギに入ったロゴマークが見えます。
「rc3」は、Richard Chudy Custom Cues の頭文字をとったものです。
初期のころはバットキャップに描かれていましたが、その後フォアアームのハギの中もしくはハギとハギの間に移動して現在に至っています。
このキューではハギの中になっていますが、バックが濃い茶色なのでロゴが視認しやすいからだと思われます。
ベニヤが4枚入っているのが分かります。
このキューはショートスプライス製法で作られていますが、現在はインレイハギになっているようです。
キューショップジャパンにもリチャード・チュディがあります。