バリー・ザンボッティです。
1988年に亡くなった父ガス・ザンボッティの跡を継いでキューを作り続けているバリー・ザンボッティですが、体の不調や環境の問題などでその製作本数はガス・ザンボッティを超えられないのではないかと噂されるほど製作本数は少なくなっています。
スタッフ野田は、運よくバリーにキューを作ってもらうことができ(マイフェイバリットキューの100番目のキューです)、その他にも注文を入れていますが、おそらく製作してもらうことは無理だろうとほとんど諦めています。
フォアアームです。
このキューは黒檀のバットに黒檀のハギを入れた、「エボニー・オン・エボニー」と呼ばれるデザインです。ザンボッティの中では比較的珍しい組み合わせです。
ハギの中にはピーコックと呼ばれるインレイが施され、ハンドル部分との境目にはブシュカリングが入っています。
ザンボッティというとメイプルのバットに黒檀のハギという組み合わせが多いのですが、パープルハートやローズウッドなどのハギが入ったキューもあります。
これはスタッフ野田が1997年にバリーの工房を訪れた際に壁際に吊るしてあった完成間近のキューです。
ちょっと暗くて分かりづらいですが、一番左の8剣キューはハギとバットスリーブがパープルハートで作られていました。
左から2番目の8剣キューはバットスリーブにナインボールのラックがインレイで表現されています。これも珍しいですね。
バットスリーブです。
4つのピースで構成される「4ピーススター」と呼ばれるインレイと、ドット・ダイヤ・スクエアのインレイをラインで挟んだデザインが施されています。
どちらもザンボッティが考案したとされる代表的なインレイデザインです。
「SZAMBOTI」のネームがバットキャップに入っています。以前は「B.S.」というイニシャルが入っていることが多かったのですが、近年の作品はこのようにネームが入っていることが多いようです。
ガス・ザンボッティのほとんどにはネームやイニシャルは入っておらず、バリーも初期の頃は入れていなかったのですが、真贋の鑑定やザンボッティであることのアピールという点から注文主からの要望が多くて入れざるをえない状況となっているようです。実際、イニシャルやネームが入っているかどうかでキューの価値が大きく変わってしまう可能性があります。
スタッフ野田もバリーに頼み込んで、ネームの入っていなかったキューにイニシャルを入れてもらったことがあります。やはりキューのオーナーとしてはこれがあった方が安心感がありますね。
ジョイントです。
伝統的な5/16-14山のパイロテッドジョイントです。
ダッシュリングと呼ばれる破線で構成されたリングワークがシャフトのカラーを含めて4か所に入っています。
マッチングデザインのカスタムジョイントキャップが付属しています。
ザンボッティと共にアメリカンカスタムを代表するジナキューの在庫が現在キューショップジャパンにあります。新品の入手は非常に難しいキューですので、是非ご覧ください。