ニューメキシコ州アラモゴルドのキューメーカー、ウェズ・ハンターが製作するハンタークラシック・キューです。アラモゴルドを原子爆弾の実験場として知っているという方もおられるでしょう。
キューメーカーとしては結構古参なのですが、もともと製作本数が少ないうえに最近は新作を見かけないのでご存知ない方も多いかと思います。
プロプレーヤーのボビー・ハンターが製作するハンター・キューと混同されることがありますが、たまたま苗字が同じというだけで、両者の間には何の関係もありません。
ウェズは子供のころからビリヤードに親しんでおり、建築・木工関係の仕事をしていた彼はサイドビジネスとして「Mission Billiards」というビリヤード場を経営し始めました。そこではキューの販売もしていたのですが、多くのキューを目にした彼は「自分ならもっと良いものが作れる」と確信してキュー製作を始めました。
もともと木工の知識のあったウェズは、旋盤などの工作機械を揃えると同時にビル・シックやビル・ストラウドなどの名職人たちからアドバイスをもらいながらキュー製作を学び、1989年にハンタークラシックのブランドを立ち上げました。

フォアアームです。
黒檀のベースにピンクアイボリーのハギが5本入っています。
ハギの先端近くにはダイヤを3つ繋げた特徴的なインレイが施されています。

ハギのクローズアップです。
ハギには緑・赤・緑の3枚のベニヤが付けられ、ハギの中にはターコイズの正方形に近い形のダイヤインレイが入っています。
ウェズ・ハンターは独特なテイストのデザインセンスでキューを製作しており、銘木にターコイズやマラカイトのインレイを組み合わせて、どこかネイティブ・アメリカン風の雰囲気を醸し出しています。

バットスリーブです。
ピンクアイボリーのベースに大きなダブルスピアヘッドのインレイと、その間にハギの中の物と同じ形のターコイズインレイが施されています。
このダブルスピアヘッドとフォアアームの3連ダイヤインレイはハンタークラシックキューでよく使われている代表的なデザインです。
スリーブ下部は黒檀となっており、最後部に白いバットキャップが付いています。
バットキャップは床などにぶつけて破損することを防ぐために角が大きく面取りされています。


バットキャップのロゴマークです。
ハンタークラシックのイニシャルである「HC」です。分かりやすいですね。
このロゴに隣接して製作年度が刻印されているものもあります。
飾りリングに注目していただきたいのですが、これはメイプルを黒檀で挟んだリングに、ハギに付いているものと同じ緑と赤のベニヤで縁取りを加えたデザインとなっています。
飾りリングは筒状のベース材にベニヤなどを埋め込み、それを輪切りにして使う場合がほとんどなのですが、このリングは切り出した後に1つずつベニヤを入れる工作をしなければならないという大変手間のかかるものなのです。メーカーとしてのこだわりが伺える部分ですね。

ジョイントです。
3/8-8山という独自のジョイントピンを使用しています。ちょっとMezzのユナイテッドジョイントに似ていますが、このキューは1990年代中頃の作品であり、Mezzキューを参考にしたわけではありません。
ネジ山がピンの途中から切ってあるこのタイプのジョイントピンは、シャフト接合の際にシャフトが真っ直ぐ差し込まれるのでネジ山を傷める心配がないという利点があります。
ジョイントカラーは白樹脂となっており、先角・ジョイント・バットキャップが白となっているバランスの取れた優れたデザインだと思います。

これは「The Art of American Cuemakers」という名キューメーカーたちの作品をカレンダーにして紹介したものですが、その1ページにハンタークラシックが掲載されています。
3連ダイヤインレイが使われているキューがありますね。
基本的にハンタークラシックはすべてワン・オブ・ア・カインド、つまり同じデザインのキューは2本とありません。こんなことができるのは少数生産のカスタムキューメーカーならではです。


キューショップジャパンではワン・オブ・ア・カインドのキューもいろいろご用意しております。
こういったキューは買い逃したら2度と手に入らないので、ピンと来たら即決即断が基本です。

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「My Favorite Cues」ページでは、皆様のお気に入りキューを紹介するページです。

自慢のマイキューをこちらのページに掲載ご希望の方は、キューショップジャパンLINEで直接写真を添付送信ください。キューショップLINEはこちら
必要な写真は以下の4点となっております。

①全体 ②フォアアーム ③バットスリーブ ④ジョイント

※写真角度などは紹介されているキューをご参照ください。
※お客様のこだわりや自慢のエピソードなどもございましたら、是非メッセージご記入をお願い致します。

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