ファルコン(隼)のロゴが印刷されたタグです。
キューについての簡単な説明が英語とドイツ語で書かれています。おそらくヨーロッパへの輸出を意識して作られたタグなのでしょう。
さて、このキューはスタッフ野田のコレクションの1本なのですが、ちょっとした思い入れがありますので、それをご紹介したいと思います。
このキューは20年ほど前に製作されたものなのですが、ファルコン社の通常モデルではなく、日本から発注された特別製の「ジェニファー・チェン」のモデルなのです。
そしてこれを発注した日本の会社に当時スタッフ野田は勤めており、仕様の指定など製作に関わっていました。
ジェニファーのモデルにはJ-1からJ-8まで全部で8種類のバリエーションがあり、このキューはそのうちの1つ、J-1というモデルです。
2002年に発売された時の広告です。
このシリーズは大変人気があり、契約により本数限定だったため、すぐに売り切れてしまいました。
ビリヤード歴が古い方ならジェニファーをご存知と思いますが、知らない方もいらっしゃるかもしれませんね。
彼女は美貌の凄腕ビリヤードプレーヤーとして母国の台湾はもとより日本やアメリカでも大変人気がありました。何度も来日して全日本選手権で優勝したこともありますので、リアルタイムで彼女を見たことがあるという方も多いでしょう。
台湾ではちょっとした有名芸能人で、写真集なども出版されていました。
彼女の写真集とビリヤード教本雑誌、そして写真集の製作裏の動画などを収録したCDです。
すべて2000年12月3日の日付で直筆サインが入っていますが、これは彼女が来日した際にしてもらったものです。
当時の彼女はファルコンキューのスポンサード・プレーヤーで、このキューを製作する契約を交わした関係でスタッフ野田は彼女と何度か会う機会があったのです。
写真集に表記のある「陳純甄(チェン・チュン・チェン)」が彼女の本名で、ジェニファーというのはアメリカなど海外向け用の通り名です。ですが、アメリカのファンたちは彼女を「チェンチェン」とか「ダブルチェン」などというニックネームで呼んでいました。
アメリカのビリヤード雑誌の表紙になったり、噴水ショーで有名なラスベガスのベラージオ・ホテルに招待されたりと、当時の彼女の人気は大変なものでした。
フォアアームです。
このキューにはハギもインレイもなく、飾りリングも一か所しかないシンプルなキューなのですが、その代わりきれいな虎斑模様が出ているメイプルに徹底的にこだわりました。
このようなハギもインレイもないストレートとかプレーンと呼ばれているキューは杢目のきれいさがアピールポイントとなります。ベースの銘木に節や変色が多少あってもその部分にハギやインレイを入れてしまえば分からなくなりますが、ストレートのキューではそうはいきません。
工作の手間がない代わりに材料の選抜条件が厳しくなり、ストレートのキューを安定して供給し続けるためには大量に銘木の在庫を持つ必要があるのです。
杢目を活かしたスレートデザインは初心者から上級者まで幅広く人気があり、キューショップでもお手頃なストレートデザインのキューを取り揃えております。
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フォアアームに入れられた「Jennifer Chen」のサインです。
J-1~J-8のすべてのモデルにこのサインが入っています。
バットキャップのロゴです。
タグに描かれているような隼のマークを付けることもできたのですが、このようなネームロゴの方がしっくりくると考えてこのデザインに決定しました。
ジェニファーのファンだったという方は多いと思いますので、彼女に関する内容を多めに盛り込んでみましたが、いかがだったでしょうか。
キューに限らずお気に入りのプレーヤーが使用するものと同じビリヤード用品を手に入れるというのも楽しみの1つだと思います。