皆さんご存知のカスタムキューの代名詞ともいえるキューの一つ、ジナキューです。
今回ご紹介するキューは、1993年に作成された30周年記念モデルで、スタッフ野田の知人が所有するものです。
ジナキューには幾つかの基本デザインがありますが、このキューは特別なデザインとなっており、30周年記念モデルなので製作本数は30本限定となっています。
スタッフ野田は1996年に初めてジナキューの製作者であるアーニー・ギュテラスの工房を訪れたのですが、その際にはこの30周年記念モデルは既に売り切れとなってアーニーの手元にはありませんでした。
なお、その後ジナキューの40周年モデル、そして50周年モデルも製作されました。
フォアアームです。
デザインとしてはいわゆる「レインボーキュー」をアレンジしたもので、ハギとハギの間にはレインボーキューを象徴する曲線で構成されたインレイが入っています。
バーズアイメイプルのバットに黒檀のハギが5本入っており、ハギには赤黒のベニヤがついています。
また、フォアアームとグリップとの間にはカラムと呼ばれるインレイが施されています。
バットスリーブです、
黒檀のベースにカラムとハギに付いているものと同じ赤黒のベニヤで構成されたインレイが入っています。
バットキャップに入れられているジナキューのロゴマークです。
通常のモデルと同じものです。
近年のモデルで限定品や高級品にはシルバーのインレイの中にこれが入っているものがありますが、1993年の頃にはまだそのようなものはありませんでした。
また、フォアアームの手書きサインもありません。
ジョイントです。
いつもの5/16-18山のパイロテッドジョイントです。
ジョイントカラーはステンレスで、レーザー彫刻で30周年モデルの表示が施されています。
レーザー彫刻のクローズアップです。
30本のうちの1本であることと、「30th Anniversary Edition 1963-1993」の表示があります。
1963年から93年までの30年という表記ですが、ブルーブックによるとジナキューの立ち上げは1961年となっています。
この点について先日アーニーに問い合わせしてみたところ、確かに1961年から修理などは始めているがキュー製作を始めたのは1963年からだったとのことでした。
ジョイントカラーの内側の写真です。
ピンボケで申し訳ありませんが「Ginacue」の表示が見えますね。
通常のジナキューなら製造年とシリアルナンバーが併せてここに刻印されています。
このキューにそれがない理由はジョイントカラーにレーザー彫刻でそれらが入っているためです。
なお、材質変更された近年のジナキューにはジョイントの内側には何も刻印されていないものがあります。
アーニーが元気なら2023年には60周年記念モデルを製作することになったと思いますが、2023年6月29日で82歳の誕生日を迎えるという高齢の為、それはなさそうです。
希少なカスタムキューを所持することは、ビリヤードをプレーすることとはまた別の満足感があります。
違いの分かる貴方も、カスタムキューのオーナーになってみてはいかかでしょうか?