お客様から投稿いただいた、初期のムサシです。
ムサシとしての基本構造は持っていますが、詳細部分はまだ確立されておらず、メーカーもいろいろ試行錯誤していた頃のものです。
フォアアームです。
白樹脂とメキシコオパールと呼ばれる準貴石による浮きハギデザインのキューです。オーナーの方はこのデザインに一目惚れして、かなり無理をされて購入されたとのことです。
スタッフ野田もデザインは全く違いますが、同じような素材の組み合わせで作られたアダムキューを愛用していたことがありました。
Xと星のインレイで構成されたリングワークもこの時代によく使われたものです。
バットスリーブです。
フォアアームと同じインレイで構成されたデザインです。
グリップには鮫革が巻かれています。
ジョイントです。
ラジアルピンのフラットフェイスジョイントですが、これはオーナーの方がこのキューを入手後に変更されたものです。
その際にジョイントのリングが変わってしまって残念だったとのことですが、特に違和感もなく、全体としてバランスの取れたデザインではないかと思います。
フォアアームに書かれた「ムサシ」と「長矢スペシャル」の表記です。
現在ムサシの表記は「MASTERPIECE OF MUSASHI」となっています。
「Nagaya Special」の表記は、このキューの製作に何らかの形でJPBA長矢プロが関わっていることを示しています。
長矢プロは現在もアダムで働いていらっしゃいます。
このキューの元のオーナーさんが同時期に製作依頼したブレイクキューがあるとのことで、そのキューを一緒に並べた画像をいただきました。(上下の写真で左右のキューが入違っていますのでご注意ください)
フォアアームは黒檀のストレートですが、バットスリーブにこのムサシと類似したデザインが施されています。リングワークも同じです。
同じようなデザインでもより良いものを求めてマイナーチェンジをしていることが分かります。
創立50周年を迎えたアダムジャパンの MASTERPIECE OF MUSASHI は世界的な高評価を得て生産が続けられています。構造が複雑なために生産数が少ないのですが、キューショップジャパンには在庫が何本かございますので、是非ご覧ください。