ベンソン・キュー
ベンソン・キューです。
リチャード・ベンソンが息子のクリスと共に製作しています。
フォアアームです。
メイプルに黒檀の4剣で、ハギの中にはオーバルインレイが入り、そこにはスクリムショウの細工が入っています。
バットスリーブも黒檀にオーバルインレイが4つ入り、それぞれにアメリカを代表する4種類の動物がカラーのスクリムショウで刻まれています。
バットキャップには製造年月とシリアル番号が入っています。
1988年5月に製作され、100本作られたうちの5本目となっています。
ただ、アメリカのディーラーから聞いた話では、このような複雑なスクリムショウが入ったキューを100本も作ることはできず、実際には20~30本程度しか作られなかったそうです。
それでは、スクリムショウで表現された4種類の動物をご紹介しましょう。
ハクトウワシ(ホワイトヘッド・イーグル)です。
アメリカ合衆国の国章にもなっている、アメリカを象徴する鳥です。
アメリカライオン(ピューマ/クーガー)です。
アメリカを代表する動物なのに絶滅が懸念されています。
鹿です。アカシカ(レッド・ディア)だと思われます。
個人的にはここはヘラジカ(ムース)を入れて欲しかったところです。
熊です。おそらく灰色熊(グリズリー)ではないかと思います。
日本のヒグマに近い、大きな熊です。
そのものズバリ「グリズリー」という題名の動物パニック映画がありましたね。
これらのスクリムショウは職人が手作業で細い針のような道具を使って材料に刻みをつけ、そこにカラーインクをすり込んで作られています。インレイのようにパンタグラフマシンなどを使って同じデザインをコピーすることはできません。
この4つのスクリムショウだけでもかなり長時間の作業が必要で、100本製作することが到底無理だったことは想像に難くありません。