フィリッピ・キュー
メリーランド州のキューメーカー、リチャード・フィリッピのキューです。
フィリピンのキューではありません。全く無関係です。
製作本数が少ないためあまり知られていませんが古参のメーカーで、名プレーヤーのルーサー・ラシタール(故人)と親交があり、彼が使っていたバラブシュカ用のシャフトを作ったという逸話があります。
本業は家具職人だったため製作本数は少なく、なかなかお目にかかれないキューです。
フォアアームです。
メイプルに黒檀の浮きハギデザインです。
ハギの中にはくさび形、先端部分にドットを線でつないだインレイが入っています。
ちょっと変わったデザインですね。何をモチーフにしたのでしょう。
フォアアームのアップです。
手書きのサインがあります。
かなり初期の頃からこのサインを入れていたようです。
バットスリーブは黒檀で、ダイヤとくさび形のインレイが施されています。
バットキャップはデルリンです。
古参メーカーだけあって、構造は伝統的手法を踏襲しているようです。
ジョイントは10山のフラットフェイスです。
フィリッピ・キューは14山のパイロテッドが多いのですが、このような10山や近年の作品ではラジアルピンのものもあるようです。