TAD'S CUSTOM CUES
お客様から投稿いただいたタッド・キューです。
日本でも最も古くから馴染みのあるキューメーカーの1つで、今更説明の必要もないかもしれません。
工房はカリフォルニア州にあるのですが、キューの流通本数はアメリカより日本国内の方が多いかもしれません。これは創設者の故タッド・コハラ氏が日系二世であることと無関係ではないでしょう。
コハラ氏自身も家具製作を学ぶために広島に在住していたことがあり、終戦の年に投下された原爆の被害を受けた経験を持っています。
フォアアームです。
メイプルに黒檀の4本ハギです。
ハギには鮮やかな色合いのベニヤ(種板)が付いています。
ハギの中にはマザーオブパールでノッチドダイヤのインレイが入っています。
王道のデザインですね。
バットスリーブです。
メイプルにマザーオブパールのノッチドダイヤインレイが入った黒檀のウインドウが4つ配置され、ハギに付いているものと同じベニヤで縁取られています。
実にタッドらしいデザインですね。
さらに黒檀で縁取られたマザーオブパールのドットインレイが入った独特のリングワークがその特徴を際立たせています。
バットキャップはデルリン製で、お馴染みの小さなTADのロゴマークが付いています。
白に緑斑のリネン巻グリップもタッドキューによく使われています。
ジョイントです。
タッドに最もよく使われる、ステンレススチールのジョイントカラーを持つ5/16-18山のパイロテッドジョイントです。
純正のジョイントキャップが付いています。
このキューに付属しているのは黒色のキャップですが、白色のものもあります。
このキューはデザイン自体は非常にオーソドックスなのですが、一目でタッドだと分かるインパクトがあります。
ハギやインレイの形などを変えて他のメーカーと差別化しようとするメーカーが多い中で、クラシックなパターンの組み合わせだけでメーカーが分ってしまうほどの特色を出していることはすごいことだと思います。
特徴的なキューには特徴的なケースがほしいところです。