BENDER CUES
ベンダー・キューです。
アラスカのキューメーカー、マイケル・ベンダーが奥さんのトレーシーと一緒に製作しています。
最近は製作本数が減っているのか、あまり新作を見かけなくなりました。
オメガ/DPKで腕を磨き、独立してベンダーキューを立ち上げたわけですが、都会の喧騒を嫌いアラスカのデルタ・ジャンクションという地方都市に工房を構えました。
フォアアームです。
オメガ時代からの流れを汲む5本ハギのデザインです。
黒檀のハギの中にはこれもオメガ時代に使ったダガー(短剣)のインレイが入っています。
それぞれのハギには3枚のベニヤが入ったショートスプライスと呼ばれる方法で作られています。
ハギの数は4・6・8本ハギが主流なのですが、ベンダーはちょっとマイナーな5本(親子ハギなら10本)となっています。
バットスリーブです。
黒檀のスリーブにダガーを向かい合わせにつないだインレイを入れて、ラインで区切ったデザインです。
上下にシルバーのドットインレイも加えられています。
リングワークはベンダー得意の格子型リングですが、フォアアームの素材を入れてちょっと変わった雰囲気を出しています。
ジョイントです。
独特の3/8-14山というジョイントピンを使用しています。
ステンレスやチタニウム、さらにニトロ加工した金色のピンもあります。
ジョイントピンのクローズアップです。
先端に「M. J. BENDER ALASKA」と刻印されています。
ただし、製造時期によってこの刻印がないものもあり、ネジ山は同じでもピンの形状が若干異なるものもあります。
シャフト側のメスネジは木に直接刻んであり、14山というピッチの多さから10山よりもネジ山を傷つけやすいので、シャフトを接続する際には気を付ける必要があります。
サウスウエストやリチャード・チュディのようにシリアル番号も入れればいいのにとベンダーに言ってみたことがありますが、ジョイントピンは不具合等で交換する場合があるのでシリアルナンバーは入れられないという回答でした。
大切なキューの保管にキューケースは欠かせません。
これぞという1本を入れるためには、キューケースにもこだわりたいですね。