1988年に亡くなった伝説のキューメーカー、ガス・ザンボッティです。
1980年代に製作されたと思われるキューであり、経年変化で塗装とシャフトの傷みが激しかったため、リペアショップにてリフィニッシュとシャフト作成がされて綺麗な状態で保管されていました。
こういった古い時代に製作されたキューは塗料の性能に限界があるため、オリジナルの状態を新品状態のまま維持することは難しいのです。
メープルのフォアアームに黒檀の剣ハギが4本入った王道デザインです。
古いキューですが組立てはしっかりしており、変な振動などは起こりません。
ハギのアップです。
4枚のベニヤが入っているのが分かります。
ガス・ザンボッティはベニヤの着色を自前で行なっていたので、ベニヤの色合いが真贋の判定に役立つことがあります。
キュー尻です。
黒檀にマザーオブパールでノッチドダイヤのインレイが施されています。
面白いのは、通常4剣ハギならキュー尻のインレイもハギの真下に1セットずつ合計4か所に入っていることがほとんどなのですが、このキューは2か所だけに入っています。
なぜ2か所だけなのか、ガス・ザンボッティが生きていたらぜひ聞いてみたいものです。
バットキャップはもちろんデルリン製です。
ジョイントです。
伝統的な5/16-14山のパイロテッドジョイントで、ステンレススチールのジョイントカラーが付けられています。
シャフトがオリジナルでないのは少々残念ですが、自然素材の先角を使用してオリジナル通りのテーパーを再現しており、大変よくできています。
こういったビンテージキューはシャフトが細くなったり曲がったりして使い物にならない場合も多く、作製を行なう場合はそれなりの知識と技術を持つ職人さんに依頼する必要があります。
伝統的な5/16-14山のジョイントは現在でも使われており、ハイテクシャフトも色々なものが発売されています。
ノーマルシャフトもいいけど、ハイテクもつかってみたいという方、一度お試しください。