お客様から投稿いただいたタッドキューです。
タッドキューは日本でのファンが多く、本国アメリカよりも日本国内に存在するキューの方が多いのではないかと言われるほどです。
といっても年間100本以下の製造本数ですので、そうそう簡単に手に入るものではなく、しかもタッドに関してはグリップとバットスリーブの間に白樹脂のリングが入った古いキューに人気があり、年々そのようなキューを目にすることが少なくなってきています。
フォアアームです。
メイプルに黒檀の4剣というタッドで最もポピュラーなデザインの1つです。
ハギの中にはマザーオブパールでノッチドダイヤとドットインレイが配されています。
ハギには内側から、白・黒・青・紫・黒の4枚のベニヤが付いています。
バットスリーブです。
黒檀に白樹脂の四角形インレイで構成されたタッドらしいデザインの1つです。
中央にハギと同様のマザーオブパールのノッチドダイヤのインレイが入り、リングワークにもマザーオブパールのドットインレイが入っているステッチング・デザインになっています。このドットインレイは正方形の白樹脂インレイと共にリングに入れられることが多いのですが、このキューではドットだけ単独で入っており、オーナーの方のお気に入りポイントの1つになっているそうです。
バットキャップに「TAD」のロゴが入っていますが、このロゴには大小2種類があり、このキューには大きい方のロゴが付いています。1990年代前半頃にこのロゴが小さいものに変更されて現在に至ります。
オーナーの方がシリアルナンバーからこのキューの製作年度を調べたところ、1990年頃になるそうです。
ジョイントです。
ステンレスのジョイントカラーが付いたお馴染みの5/16-18山パイロテッドジョイントです。
ジョイントカラーの下には、ニッケルシルバーのリングが入っています。
ジョイントピンが少し短い「ショートピン」と呼ばれる仕様になっています。
スタッフ野田がタッドの工房を訪問した際にお土産にもらった、タッドキュー用の5/16-18山ジョイントピンです。今回ご紹介したキューのピンは先端がフラットになっていますが、このピンは丸くなっていることがお分かりになると思います。この丸みは年代によって若干の違いがあるようです。
バットエンドと付属しているシャフトです。
デルリン製の長いバットキャップ(53mmあるそうです)がタッドらしさをアピールしていますね。
シャフトのカラーに付いているリングワークがバット側のリングと同様のシルバーリングになっているのが分かります。これも古いタッドの特徴の1つで、ニッケルシルバーのリングが使用されています。もっと初期の頃のタッドにはアルミ製のリングがついているのですが、アルミは経年で腐食することが多いため、ニッケルシルバーに変更されたようです。そしてこのリングワークは現在タッドの標準として多く使用されているメイプルの格子模様リングに変わっていきます。
タッドのようにほとんどのモデルを同じリングワークで統一するメーカーもあれば、多種多様なリングワークを使い分けるメーカーもあります。
キューショップジャパンのサイトに掲載されているキューの色々なリングワークを観察してみるとメーカーの工夫やポリシーが分かったりして面白いです。